当記事では、5月に行われる牝馬限定のG1・ヴィクトリアマイルにおいて波乱決着となった事例をまとめている。
古馬入り後に本格化を迎えた晩成の快速牝馬ストレイトガールがG1初制覇を果たしたレース。1番人気はオークス馬ヌーヴォレコルトで、2番人気に推されていたのは前走のマイラーズカップで上がり3ハロン31秒9という驚異的な末脚を見せていたディアデラマドレだった。
波乱の立役者となったのは大外18番枠のミナレット。三連単JRA史上最高配当となる大波乱でデビュー戦を制した同馬が勢いよく先手を取り、前半1000m56秒9の緩みないペースで単騎逃げの姿勢に入った。
直線に入ってもミナレットの逃げ脚は衰えず、後続の末脚も伸びを欠く。いち早くこれをとらえたのが京都牝馬ステークス覇者ケイアイエレガント(単勝12番人気)で、さらにゴール前でストレイトガールが馬場のまんなかを勢いよく伸びて、アタマ差の接戦の末に戴冠を果たした。
前年のクイーンカップを制し、桜花賞3着などの実績があったコイウタがG1初制覇を果たしたレース。同世代の牝馬戦線はキストゥヘヴンとアドマイヤキッスが注目され、その後台頭してきたカワカミプリンセスが二冠を達成しており、コイウタは12番人気の伏兵評価だった。
同レースの1番人気はカワカミプリンセス。2番人気は6歳となって衰えが見られながら、なおも末脚健在だったスイープトウショウ。3番人気に同世代の素質馬アドマイヤキッスが続いていた。
レースでは、同じく同世代の実績馬アサヒライジングがマイペースで逃げて馬群を牽引し、ゆったりとした流れのまま直線へ。アサヒライジングがそのまま粘り込みを図り、一瞬の切れ味を活かしたコイウタが差し切り勝ちを果たした。
4歳牝馬のワンツースリーだった。勝利したのは小柄ながらパワフルさ溢れる走りに定評のあったアドマイヤリード。デビュー時は馬体重390kgだったが、素質馬シルバーステートを下しており、桜花賞・オークスにも出走するなど早くから活躍していた。
2着馬デンコウアンジュは、同期の快速女王メジャーエンブレムをアルテミスステークスで下すなど注目されていたが、その後勝ち星を挙げられず評価は下降気味。しかし同レースは実績のある東京マイル2戦目だった。
なお、3着馬ジュールポレールは翌年のヴィクトリアマイルを制覇。リピーターレースとして知られるヴィクトリアマイルのデータに違わぬ好走を見せた。
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