名繁殖となった名牝5選 シーザリオ、エアグルーヴなど【その1】

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当記事では現役時代に優れた成績を収めながら、繁殖牝馬としても多数の活躍馬を送り出した名牝を5頭紹介する。

シーザリオとその仔たち
シーザリオとその仔たち
  1. シーザリオ
  2. ビワハイジ
  3. エアグルーヴ
  4. ベガ
  5. ドバイマジェスティ
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シーザリオ

 父スペシャルウィーク、母キロフプリミエールという血統。2004年12月のデビュー戦を快勝すると、無傷3連勝でG3・フラワーCを制した。2005年の桜花賞では後にNHKマイルCとの変則二冠を達成する快速牝馬ラインクラフトに先着を許したが、続くオークスでは最終直線で11頭をごぼう抜きしてG1初制覇。続いてアメリカ遠征を敢行し、米G1・アメリカンオークスに出走し、4馬身差の圧勝で日本調教馬による史上初の米G1勝利を果たした。

 繁殖入り後、3番仔エピファネイア、6番仔リオンディーズ、9番仔サートゥルナーリアがそれぞれG1を制覇。また4番仔ロザリンドの仔にアルゼンチン共和国杯連覇など重賞4勝を挙げるオーソリティがいる。2021年2月27日、子宮周囲の動脈断裂による出血性ショックのため、繋養先のノーザンファームでこの世を去った。

ビワハイジ

 父Caerleon、母アグサン。従兄弟にG1を3勝した名馬マンハッタンカフェがいる血統。1995年6月のデビュー戦を勝利し、続く札幌3歳Sで重賞制覇。同年12月の阪神3歳牝馬Sでは果敢に積極策を取り、エアグルーヴを半馬身差下してG1初制覇を果たした。

 繁殖入り後、2009年の牝馬二冠を含むG1・6勝を挙げ2010年の年度代表馬にも輝いた名牝ブエナビスタを出したほか、2011年にデビュー2連勝で阪神JFを制しG1ウィナーとなったジョワドヴィーヴル、2005年の京成杯を制し同年の菊花賞で2着となったアドマイヤジャパン、2008年京都記念を含む重賞3勝を挙げたアドマイヤオーラ、2012年エプソムC覇者トーセンレーヴ、2014年フローラS覇者サングレアルと、6頭の重賞ウィナーを送り出した。

エアグルーヴ

 父トニービン、母は1983年のオークスダイナカール。自身も1996年にオークス馬となり、同競走母仔制覇を達成した。また翌1997年には前年覇者バブルガムフェローを下して天皇賞(秋)を制し、ジャパンC2着、有馬記念3着と古馬路線で好走。牝馬として1971年のトウメイ以来26年ぶりとなる年度代表馬選出を果たした。

 引退後、初仔アドマイヤグルーヴが2003年から2004年にかけてエリザベス女王杯を連覇。7番仔フォゲッタブルは2009年の菊花賞で2着、同年のステイヤーズSと翌2010年のダイヤモンドSを制するなど長距離路線で活躍。8番仔ルーラーシップは香港G1・クイーンエリザベス2世C勝利を含む重賞5勝を挙げ、9番仔グルヴェイグは2012年のマーメイドSを制した。

 また、アドマイヤグルーヴが2015年のクラシック二冠馬ドゥラメンテグルヴェイグが2021年のローズS覇者アンドヴァラナウトを送り出したほか、エアグルーヴの4番仔ソニックグルーヴの孫世代に2019年中京記念覇者グルーヴィット&2022年チャンピオンズC覇者ジュンライトボルト兄弟がいるなど、令和にも名牝の血脈を広げ続けている。

ベガ

 父トニービン、母アンティックヴァリュー。半姉に1994年の札幌スプリントS2着馬ニュースヴァリュー、全弟に2001年の京都記念覇者マックロウがいる。1993年1月に折り返しの新馬戦を制すると、そこから4連勝で桜花賞オークスを制し牝馬二冠を達成、同年のJRA賞最優秀4歳牝馬を受賞した。

 1994年の宝塚記念出走後、骨折が判明し引退。繁殖入り後、初仔のアドマイヤベガが1999年の日本ダービー馬となり、2番仔のアドマイヤボスは4歳(現3歳)7月と遅いデビューながらわずか2ヶ月でセントライト記念を制した。3番仔のアドマイヤドンはデビューから3連勝で朝日杯FSを制しG1ウィナーとなり、その後ダート路線に舵を取りJBCクラシック3連覇を含む大活躍。4番仔キャプテンベガは重賞勝ちこそ無かったもののオープン戦線で存在感を見せ、デビューした仔がすべてオープン入りを果たした。また5番仔にして唯一の牝駒ヒストリックスターは不出走だったが、母として2014年の桜花賞ハープスターを送り出している。

ドバイマジェスティ

 父Essence of Dubai、母Great Majestyという血統の米国産馬。生国であるアメリカで現役生活を送り、通算成績は34戦12勝。2歳時に挙げた勝ち鞍は1つだけだったが、徐々に力をつけて重賞戦線に顔を出すようになり、2009年から2010年にかけて米G3・ウィニングカラーズSを連覇。2010年の米G1・BCフィリー&メアスプリントではシャンパンドーロギャビーズゴールデンギャル、インフォームドディシジョンなどの強豪馬を相手に快勝。ラストランでG1制覇を飾った。

 現役引退後、ノーザンファームによって110万ドルで落札され日本で繁殖入り。3番仔のアルアインは2017年の皐月賞と2019年の大阪杯を制覇。6番仔のシャフリヤールは2021年の日本ダービーと2022年のドバイシーマクラシックを勝利している。また、2023年時点でデビューした産駒すべてが勝ち上がっている。

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