2016年の香港ヴァーズ、2017年の宝塚記念を制するなど活躍したサトノクラウン。2014年のデビューから無傷の3連勝でクラシックトライアルを勝利。ドゥラメンテやキタサンブラック、リアルスティールなど同期にスターホースが揃うなか、香港の地で欧州の強豪馬を下し、日本では宝塚記念を制してグランプリホースとなった名馬の蹄跡を振り返る。
サトノクラウンは父Marju、母ジョコンダII、母の父Rossiniという血統の持ち込み馬。全姉は英G1・チェヴァリーパークSを制したライトニングパール。半妹には2020年の札幌日経OPを制したポンデザール、半弟には2020年の共同通信杯と青葉賞でそれぞれ3着となったフィリオアレグロがいる。
2014年10月にデビュー戦を勝利。2戦目で世代重賞である東京スポーツ杯2歳Sも連勝し重賞初制覇。明け3歳でクラシックトライアルの一角、弥生賞を勝利したことでデビューから3戦全勝の成績を残しクラシックの最有力候補となる。しかし、本番の皐月賞では1番人気を背負いながらもドゥラメンテ、リアルスティール、キタサンブラックなど同世代の有力馬たちに先着を許して6着、日本ダービーでは後方14番手から鋭く追い込んだが3着となり、ともに後塵を拝する結果となった。
明け4歳で迎えたG2・京都記念は同世代の強豪馬レーヴミストラル、ヤマカツエース、タッチングスピーチなどが集う混戦ムードのなか、得意な重馬場で捲りの競馬を見せて3馬身差突き抜ける圧勝。その後QE2世C、宝塚記念、天皇賞・秋に参戦。転機が訪れたのは2016年の冬。2度目の香港遠征のこと。サトノクラウンはG1・香港ヴァーズに出走する。
このレースには当時すでにG1を4勝しており、世界最高峰のレース・凱旋門賞でも2着の実績があったハイランドリールが参戦。卓越した先行策が武器で、BCターフでは大逃げを打って完勝していた。また、この前年の香港ヴァーズを完勝しており、連覇が期待される有力馬となっていた。
レースではハイランドリールが序盤から先手を奪い、シビアなラップを刻んでいく。直線でも後続との差は詰まらず、連覇の気配が濃厚。しかし、そこにただひとつのみ、閃光のように迫る影。サトノクラウンだった。1完歩ごとにサトノクラウンは加速を続け、ゴール板が目の前に迫ったその刹那、ハイランドリールを交わして見事優勝。3着馬は6馬身もの差がついていた。
晴れてG1ホースとなったサトノクラウンは帰国後、ふたたび京都記念に参戦。前年同様にタフな馬場でおこなわれたレースを制し、連覇を達成する。その後、連勝の勢いまま大阪杯に参戦するが、本格化したキタサンブラックの6着に敗れた。
次戦の宝塚記念では、快進撃を続けるキタサンブラックには圧倒的な投票数が集まった。他にも有馬記念馬ゴールドアクター、牝馬2冠馬ミッキークイーン、遅れてきた大器シャケトラ、その他のちにG1を制する豪華なメンバーが揃ったが、稍重の阪神芝をサトノクラウンが大外から突き抜けた。直線に入る頃には後続馬が先頭集団に殺到していき、それらを力でねじ伏せるような大外一気の末脚。サトノクラウンは見事に宝塚記念を制し、国内G1を初制覇する。
海外で劇的なG1制覇を達成し、日本国内でも栄えあるグランプリレースを制したサトノクラウンは、その名前に込められた願い通りに確かな「王冠(クラウン)」を得たのだった。
サトノクラウンは2018年のジャパンC出走を最後に現役を引退、社台スタリオンステーションで種牡馬となった。2022年に初年度産駒がデビュー。6月5日の東京開催でクラックオブドーンが勝利し、産駒初のJRA勝利を挙げているほか、2022年8月13日の小倉開催では産駒のメイショウコギクが6馬身差をつけて圧勝するなど、2023年1月現在でJRAで13頭が勝ち上がっている。
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