シンコウウインディの軌跡 強烈な個性を放ったフェブラリーS覇者の活躍を振り返る/名馬列伝

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 シンコウウインディは1990年代後半のダート路線で活躍した日本の元競走馬。ダート競走としてJRA初のG1昇格を果たした1997年フェブラリーSの初代覇者である。現役時代の主戦は岡部幸雄元騎手が務めた。

 フェブラリーSのほか、ユニコーンS(G3)と平安S(G3)を勝利するなど、デビュー当初からダートでコンスタントに勝ち星を重ねる一方、レース中に他馬へ噛みつきにいくなど、その個性的な気性でも知られている。

1997年フェブラリーS制覇時のシンコウウインディ(撮影:下野雄規)
1997年フェブラリーS制覇時のシンコウウインディ(撮影:下野雄規)

 シンコウウインディ父デュラブ、母ローズコマンダー、母の父ダストコマンダーという血統。父はイギリスで現役生活を送った米国産馬で、シンコウウインディのほか、代表産駒には無敗で南関東三冠馬となったトーシンブリザードや、東京盃覇者サカモトデュラブなどがいる。

  1. 【1996年】4歳シーズン(現3歳)
  2. 【1997年】5歳シーズン(現4歳)
  3. 【1998年ー1999年】旧6歳から現役引退まで
  4. 現役時代のライバルたち
  5. 引退後
  6. 関連情報

【1996年】4歳シーズン(現3歳)

 旧4歳時の1月、東京競馬場で行われた4歳新馬戦(ダ1200m)でデビュー。2着馬に3/4馬身差、3着馬には1.9秒差をつけて初戦を制した。その後、芝路線に挑戦し、3月、4月、6月の500万下条件戦でそれぞれ4着、2着、4着。その後、再びダート戦に出走し、2着に3馬身半差をつけて2勝目を飾った。

 同年8月31日、館山特別(900万下)に出走。馬群中団から抜け出しを図るも、2番手から粘り込みを図るダイワオーシャンに噛みつきにいったことで失速、クビ差の2着に敗れた。

 続く9月のユニコーンS(G3)で重賞初挑戦。レースでは圧倒的な1番人気に支持されたバトルラインが大きく抜け出し、シンコウウインディは3馬身差離された2番手での入線だったが、バトルラインが降着となったため繰り上がりで重賞初制覇を飾った。

 11月には大井競馬場スーパーダートダービー盛岡競馬場のダービーグランプリに出走し、それぞれ2着、3着。9戦3勝(うち重賞1勝)で旧4歳シーズンを終えた。

【1997年】5歳シーズン(現4歳)

 古馬入り後の初戦に選んだのは平安S(G3)。新たに四位洋文騎手を鞍上に迎えて挑んだ一戦は、単勝1.4倍の1番人気にバトルライン、2番人気にトーヨーシアトルが続き、大きく離れた単勝17.1倍の3番人気にシンコウウインディが続いた。レースでは馬群外目から追い込み、トーヨーシアトルと並んで1着同着となり重賞2勝目を挙げた。

 続くフェブラリーSでは、重賞2勝を含む4連勝で大舞台に臨んだストーンステッパーが単勝1番人気、バトルラインが単勝2番人気、トーヨーシアトルが単勝3番人気、イシノサンデーが単勝4番人気、ビコーペガサスが単勝5番人気に支持されるなか、シンコウウインディは単勝6番人気の評価を受けていた。

 レースでは序盤から先手を取ったバトルラインストーンステッパーが競り落とす中、インコースから進出したシンコウウインディが長い叩き合いを仕掛け、激戦の末にクビ差の1着。この勝利により、シンコウウインディ中央競馬史上初のダートG1馬となった。

 その後、5月のアンタレスS(G3)で復帰。続いて帝王賞に出走するも勝ち星を挙げられず、脚部不安の影響もあり長期休養に入ることとなった。

【1998年ー1999年】旧6歳から現役引退まで

 旧6歳シーズンは全休。1999年の安田記念(G1)で復帰を果たしたが、14頭立ての13着となった。その後、7月の灘S(OP)、8月の関越S(OP)、9月の日本テレビ盃とダートを3戦したが最盛期の勢いは戻らず、現役を引退することとなった。

現役時代のライバルたち

引退後

 2000年より北海道で種牡馬入り。2003年以降の種付けはなく、2006年に用途変更となってからは北海道の日高町で功労馬として過ごしている。

関連情報

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