1986年の桜花賞・オークス・エリザベス女王杯を制し、中央競馬史上初となる牝馬三冠馬となったメジロラモーヌ。1985年の最優秀3歳牝馬、1986年の最優秀4歳牝馬に輝き、1987年には顕彰馬に選出された名牝である。当記事では名門『メジロ』が送り出した名牝の蹄跡を振り返る。
メジロラモーヌは父モガミ、母メジロヒリュウ。1983年4月9日に北海道のメジロ牧場で生を受けた。半弟には1988年の日本ダービー2着、1990年の天皇賞(秋)2着などの実績を残したメジロアルダンがいる。
二代母は『メジロ』の基礎牝系を形作る繁殖牝馬の1頭アマゾンウォリアー。また、母の半弟(叔父)にあたるメジロイーグルはメジロパーマーの父としても知られている。
以下、メジロラモーヌの現役時代の馬齢表記に統一して要項を記載する。1985年10月13日に東京競馬場で行われた3歳新馬戦でデビューを迎えたメジロラモーヌ。序盤から積極策でレースを進め、最終コーナーから直線にかけてはさらに差を突き放して独走。2着に3.1秒差(約20馬身差)をつけて圧勝した。
続いて挑んだ京成杯3歳Sでは単勝1番人気に支持されるも、後に朝日杯3歳Sを制するダイシンフブキから0.7秒差の4着に敗れた。しかし、その後400万下条件戦を快勝して立て直すと、12月のテレビ東京賞3歳牝馬Sに出走した。
同牧場生産馬スイートナディアが単勝1番人気に支持されるなか単勝2番人気となり、レース本番ではダイナフェアリーを並ぶ間もなく差し切って3馬身半差をつけて快勝。勝ち時計は1分34秒9。当時、3歳馬ながら芝1600mで1分35秒0を切る勝ち時計を計時していたのは、8戦8勝の圧倒的な成績を残した『スーパーカー』マルゼンスキー、1974年の日本ダービーをレコードタイムで勝利したコーネルランサーのみだった。
4戦3勝という成績を残したメジロラモーヌは、当年の最優秀3歳牝馬に選出された。
1986年の始動戦となったクイーンCでは単勝1.2倍の圧倒的な1番人気に支持されるも4着。しかし続く桜花賞トライアルの報知杯4歳牝馬特別で巻き返し快勝すると、4月6日に阪神競馬場で行われる桜花賞へと駒を進めた。なお、報知杯4歳牝馬特別から河内洋騎手が主戦を務めている。
桜花賞では単枠指定を受け、5枠13番からの発走となった。単勝1.6倍の1番人気に支持されたレース本番では、馬群中団から徐々に位置を押し上げ、後続の追撃を振り切って完勝した。
桜花賞馬となったメジロラモーヌは、オークスのトライアル競走・サンスポ4歳牝馬特別に出走。ここでは快速を武器にデビュー3連勝を飾り話題となっていたダイナアクトレスとの初対決となったが、レースではダイナアクトレスが2番手から押し切りを図るところを差し切って単勝1.9倍の人気に応えた。
迎えたオークスでは再び単枠指定を受け、4枠10番からの発走となった。馬群後方で待機策を取り、レース中盤で進出を開始。最終直線で馬場いっぱいに出走馬が広がるなか、早々に中央から突き抜け、2着馬ユウミロク、3着馬ダイナアクトレスの追撃も封じ込めて10年ぶりとなる牝馬二冠を達成した。
秋の始動戦となったエリザベス女王杯トライアル・ローズSを制したメジロラモーヌは、満を持して牝馬三冠最終戦へと駒を進めた。
エリザベス女王杯でも単枠指定を受け、6枠13番から出走したメジロラモーヌは、4番手追走から進出を開始。逃げるマチカネエルベを早々に捉えると、じりじりと差を詰める2着馬スーパーショットの追撃を半馬身差振り切り優勝。中央競馬史上初の牝馬三冠を達成した。
メジロラモーヌは桜花賞・オークス・エリザベス女王杯だけでなく、それらのトライアル競走もすべて制しており「完全牝馬三冠」と呼ばれることもある。またエリザベス女王杯勝利時点で連勝記録は「6」となり、これは当時の重賞連勝記録でもあった。加えて、同レースの勝利によって獲得賞金が3億円を超え、牝馬として当時の歴代賞金女王にも輝いた。
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1985年の最優秀3歳牝馬、1986年の最優秀4歳牝馬に輝き、1987年には顕彰馬に選出された。
牝馬三冠の快挙達成後、当初の予定どおり有馬記念に出走後、ターフを退いたメジロラモーヌは、生まれ故郷のメジロ牧場で繁殖牝馬となった。以後、2005年に老衰で死亡するまで12頭の仔を残している。
メジロラモーヌの血を継ぐ競走馬には、2008年の川崎記念覇者フィールドルージュ、2019年と2021年の香港ヴァーズを制したグローリーヴェイズ、2017年のファルコンS覇者コウソクストレートなどがいる。
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