当記事では2020年に史上初となる無敗での牝馬三冠(桜花賞・オークス・秋華賞)制覇を達成したデアリングタクトについて記載する。
デアリングタクトは父エピファネイア、母デアリングバード、母の父キングカメハメハという血統。主な勝ち鞍は2020年の桜花賞・オークス・秋華賞であり、史上6頭目の牝馬三冠馬である。無敗での牝馬三冠達成は史上初の偉業だった。また、この功績により同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選ばれた。
母のデアリングバードは社台ファーム生産馬であり、現役引退後に繁殖馬セールに上場され、長谷川牧場が落札。デアリングタクトは母の2番仔である。
2017年のセレクトセール当歳セッションに上場されるも買い手がつかずに主取りとなった。翌年、セレクトセール1歳セッションにてノルマンディーファームが落札し、ノルマンディーサラブレッドレーシングで一口クラブ馬として募集された。
2019年11月16日に京都競馬場で開催された2歳新馬戦でデビューし、ここを快勝したデアリングタクトは、3歳時の2月に出走したエルフィンステークスで良血馬ライティアに4馬身差をつける圧勝を見せ、一躍牝馬戦線の有力馬に名乗り出る。
同世代には快速を武器に2歳G1を制したレシステンシアをはじめ、サンクテュエール、リアアメリア、クラヴァシュドールなどの強豪馬がいたものの、初重賞挑戦かつ初G1出走となった牝馬三冠の第一冠・桜花賞(G1)では、逃げ粘るスマイルカナを2番手からレシステンシアが捉える中、後方13番手から目の覚めるような直線一気の末脚を爆発させ、レシステンシアに1.1/2馬身差をつけて差し切りG1初制覇を達成した。
レシステンシアがNHKマイルカップに向かったが、オークスには後に香港G1を制するウインマリリンをはじめ、ミヤマザクラやクラヴァシュドール、デゼルなどが出走。デビューから一貫して1600mを使われていたデアリングタクトにとっては800mの距離延長となったが、単勝1.6倍の圧倒的な支持を得た。
道中では後方に位置取り、馬群の狭いところを縫うように抜け出すと、ウインマリリンが押し切りを図る中、ゴール前でこれを差し切り4連勝で牝馬二冠を達成した。
2018年のアーモンドアイ以来2度目の牝馬二冠であり、無敗での牝馬二冠達成はミスオンワード以来半世紀の時を挟んで史上2頭目の快挙だった。
オークス制覇後、放牧に出されたデアリングタクトは、結果的に前哨戦を使わずに牝馬三冠の最終戦・秋華賞に直行。レースでは単勝1.4倍の圧倒的支持を得た。スタートで立ち遅れるも、道中13番手から徐々に位置を押し上げ、後方から脚を伸ばしたマジックキャッスル・ソフトフルート・パラスアテナらを抑え切り秋華賞を制覇。G1・3勝目を挙げた。
この勝利により、同馬はメジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイに続く史上6頭目の牝馬三冠馬となった。無敗での牝馬三冠達成は史上初の偉業だった。
牝馬三冠達成後、デアリングタクトは同年のジャパンカップに参戦。同競走には八冠馬アーモンドアイ、同期のクラシック三冠馬コントレイルが出走しており、「三冠馬3頭の直接対決」という前代未聞の事態に大きな注目を集めていた。
レースでは道中7番手を進み、4コーナーからさらに加速。アーモンドアイ、コントレイルには先着を許したが、カレンブーケドールとの追い比べを制して3着で入線。同競走は1着・2着・3着が三冠馬で埋まるという結果となった。
古馬入り後、デアリングタクトは金鯱賞で2着、その後香港遠征を敢行し3着となった。その後、香港G1出走後に右前肢繋靱帯炎の発症が明らかとなり年内全休。長期休養に入ることとなった。
1年後のヴィクトリアマイルで復帰を果たし、その後宝塚記念で3着に好走。復調の気配を見せた。同年の秋には3戦し、ジャパンカップで4着に入線するなど好走実績もあったが、6歳時にサウジアラビア遠征を控えた状態で歩様に乱れを生じ、遠征を辞退した。
その後、復帰を目指して調整を進めていたが、2023年の秋に繋靭帯炎を再発したことにより、ノルマンディーオーナーズクラブによって現役引退が発表された。結局同年内にターフへ戻ってくることは叶わなかった。今後は北海道の岡田スタッドで繁殖牝馬となる予定。
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