コパノリッキーの軌跡 Dr.コパ氏の愛馬・G1/Jpn1を11勝したダートの名馬を振り返る/名馬列伝

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当記事ではダート路線でめざましい活躍を見せた競走馬コパノリッキーについて記載する。

2017年12月、引退式のコパノリッキー(撮影:高橋正和)
2017年12月、引退式のコパノリッキー(撮影:高橋正和)

 コパノリッキーは日本の元競走馬・現種牡馬。『コパノ』の冠号で知られるオーナー・Dr.コパ氏(小林祥晃氏)の愛馬の一頭で、史上初のフェブラリーS(G1)連覇、かしわ記念(Jpn1)3勝を含むG1級競走11勝を挙げた。現役時代、主に手綱を執ったのは田辺裕信騎手武豊騎手

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  1. 概要
  2. 【3歳】重賞Vも戦線離脱
  3. 【4歳】最低人気でG1制覇
  4. 【5歳】砂の頂点へ
  5. 【6歳】古豪健在
  6. 【7歳】有終の美
  7. 主な勝ち鞍
  8. 現役時のライバルたち
  9. 引退後・父として
  10. 関連情報

概要

 コパノリッキー父ゴールドアリュール母コパノニキータ、母の父ティンバーカントリーという血統。2010年3月24日に北海道日高町のヤナガワ牧場で生を受けた。

 同牧場からは日本競馬歴代2位の賞金を獲得したキタサンブラック、2021年のJRA最優秀ダートホースを受賞したテーオーケインズ、2019年のマイルCS南部杯(Jpn1)覇者サンライズノヴァ、2014年の高松宮記念(G1)覇者コパノリチャード、2007年のフェブラリーS(G1)覇者サンライズバッカスなどが出ている。 

【3歳】重賞Vも骨折で戦線離脱

 2012年12月にデビューし、2013年1月の3歳未勝利戦で初勝利を挙げたコパノリッキーは、同月の500万下条件戦で2勝目を飾り、ヒヤシンスS(OP)3着を挟んで3月の伏竜S(OP)を勝利。5月の兵庫CS(Jpn2)に出走すると、2着ベストウォーリアに6馬身差、3着ソロルに15馬身差をつける圧勝で重賞初制覇を飾った。なおベストウォーリアは後にマイルCS南部杯を連覇するなど大活躍する強豪馬であり、ソロルは後に平地と障害でそれぞれ重賞を制することとなる。

 兵庫CS圧勝後、日本ダービーへ向かう予定だったが、右前肢のトウ骨を骨折。全治半年と診断され休養に入る。その後、同年11月に復帰しオープンを2戦したが、いずれも大敗。3歳シーズンを終えることとなった。

【4歳】最低人気でG1制する大金星

 2014年の始動戦に選んだのはフェブラリーS(G1)。2分の1の抽選を潜り抜けて出走を果たしたコパノリッキーだったが、故障明けで2度大敗していたことから、レースでは16頭立て16番人気(単勝272.1倍)の伏兵評価を受けていた。

 しかし、レースでは逃げ粘るエーシントップを最終直線で競り落とし、先行抜け出しから差を詰めるホッコータルマエ、後方12番手の位置から差し切りを狙うベルシャザールの追走を振り切り1着。最低人気の評価を覆してG1初制覇を飾った。

 2014年シーズンはここからダートG1/Jpn1競走に出走を重ね、かしわ記念では中団から勢いよく抜け出して逃げるセイクリムズンを差し切りG1級競走2勝目。続く帝王賞では道中から押し切りを図るもワンダーアキュートに差し切られて2着となったが、秋の始動戦となったJBCクラシックでは序盤から先手を取り、クリソライトワンダーアキュートホッコータルマエ以下ダート路線の強豪馬を相手に3馬身差の逃げ切りでG1級競走3勝目を挙げた。

 12月のチャンピオンズカップでは単勝1番人気に支持されるも出遅れが響き12着と大敗。続く東京大賞典では果敢に先陣を切るも、2番手から抜け出したホッコータルマエから4馬身差の2着となり、同年のJRA最優秀ダートホースの座はホッコータルマエに譲ることとなった。

【5歳】砂の頂点へ

 2015年の始動戦となった東海Sで後続を寄せ付けず完勝を果たすと、コパノリッキーは連覇のかかるフェブラリーSへ。前年は最低人気だった当馬だが、ここでは単勝1番人気に支持された。レースでは逃げるアドマイヤロイヤルを早々に競り落とし、インカンテーションベストウォーリアの追撃も封じて同レース史上初となる連覇を達成。続いてかしわ記念の連覇を狙った。

 しかし、フェブラリーS出走後に検査をしたところ、左前脚の橈骨遠位端の骨折が判明。3歳シーズンと同様、全治半年の診断を受けてしまう。これにより、かしわ記念への出走は白紙となった。

 復帰戦となった10月の日本テレビ盃で3着入線を果たすと、コパノリッキーは連覇のかかるJBCクラシックへと挑む。レースではホッコータルマエが単勝1.4倍の圧倒的支持を受け、2番人気はクリソライトコパノリッキーは3番人気だった。

 しかしレースでは、15番枠から果敢に先手を奪うと、最終直線でも逃げ脚は衰えず、鋭い末脚で追い込むサウンドトゥルーを振り切って連覇を達成。続くチャンピオンズCで7着、東京大賞典で4着となり、5歳シーズンを終えた。

【6歳】古豪健在

 6歳始動戦となったフェブラリーSでは7着となり同レース三連覇とはならなかったものの、続くかしわ記念で南関東競馬の強豪馬ソルテに3馬身差をつけて復活の勝利を飾った。さらに6月の帝王賞では最終コーナーで先頭に躍り出るとノンコノユメサウンドトゥルーらを突き放してJpn1連勝。秋始動戦となったマイルCS南部杯では単勝1.8倍の支持に応え、同レースを二連覇していたベストウォーリアを振り切ってJpn1三連勝を果たした。

【7歳】有終の美

 7歳始動戦となったフェブラリーSで14着に大敗したものの、続くかしわ記念を勝利し連覇を達成。これでかしわ記念3勝となった。その後休養に入り、秋の始動戦となったマイルCS南部杯でノボバカラを4馬身突き放して同レース連覇を達成。続いて初のJBCスプリントに出走。初の1200m戦となったが単勝1番人気に支持され、レースでは最内枠から鋭伸したニシケンモノノフにわずか届かなかったものの2着に健闘した。

 JBCスプリント出走から1ヶ月後、3ハロン延長でチャンピオンズカップに出走。混戦模様のなか単勝9番人気となったが、レースでは果敢に先手を取って3着に逃げ粘った。続いてラストランとなった東京大賞典では、サウンドトゥルーケイティブレイブインカンテーションなど強豪馬が揃うなかレース序盤から先手を取り、後続に3馬身差をつけて快勝。前人未到のG1級競走『11勝』を成し遂げるとともに、有終の美を飾った。

主な勝ち鞍

レース名
2013年兵庫CSJpn2
2014年フェブラリーSG1
2014年かしわ記念Jpn1
2014年JBCクラシックJpn1
2015年東海SG2
2015年フェブラリーSG1
2015年JBCクラシックJpn1
2016年かしわ記念Jpn1
2016年帝王賞Jpn1
2016年マイルCS南部杯Jpn1
2017年かしわ記念Jpn1
2017年マイルCS南部杯Jpn1
2017年東京大賞典G1

現役時代のライバルたち

引退後・父として

 現役引退後、2018年にブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入りを果たした。2021年度にファーストクロップがデビュー。2021年4月14日の門別6Rでラブミードールが初勝利を飾り、7月17日の函館2歳Sで産駒初となるJRA重賞出走。また同年9月26日にコパノニコルソンJRA初勝利を飾っている。

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