当記事では、2010年から2012年にかけてイギリスで快進撃を続け、生涯成績14戦14勝・欧州年度代表馬2年連続受賞・世界サラブレッドランキング歴代1位のレーティングを獲得した「世界最強馬」フランケル(Frankel)の概要や競走成績を記載している。
フランケルとはイギリスの競走馬・現種牡馬である。生涯成績14戦14勝という無敗の快進撃を続け、G1レースを10勝。2012年のクイーンアンステークス(G1)で見せた11馬身差の圧勝劇はロンジン・ワールド・サラブレッド・ランキングおよびタイムフォーム社のレーディングにおいて史上最高の評価を受けている。
デビュー当初から非凡な競走能力を見せ、2011年・2012年の欧州年度代表馬を受賞。2010年の欧州最優秀2歳牡馬、2011年の欧州最優秀3歳牡馬、2012年の欧州最優秀古馬に選定された。また、ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキングにおいてレーティング140ポンドを獲得。史上最高の評価を得ている。
父ガリレオ、母Kind、母の父デインヒルという血統。名門ジュドモントファームの生産馬であり、ヘンリー・セシル調教師の管理馬。デビューからラストランまで一貫してトム・クウィリー騎手が手綱を執った。また「フランケル」という馬名の由来は、2009年に他界したアメリカの名調教師ロバート・フランケル氏に由来する。
種牡馬としても成功し、クラックスマンやアルピニスタなど名馬を輩出。産駒は日本でも活躍しており、ソウルスターリング・モズアスコット・グレナディアガーズがG1を制している(2023年6月現在)。
2010年8月13日にニューマーケット競馬場で行われた未勝利戦でデビュー。同レースには後にキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスやエクリプスステークスなどを制する名馬ナサニエルが出走していたが、フランケルはナサニエルを半馬身差抑えて白星を飾った。
その後、条件戦を13馬身差、続くロイヤルロッジステークスを10馬身差で圧勝し、2歳G1・デューハーストステークスに出走。レースではスタート直後に不利を受けて後方からの競馬を余儀なくされるも、残り200m地点で抜け出し完勝。G1初制覇を飾った。
2歳シーズンを4戦全勝で終え、加えてデューハーストステークスで2着となったロデリックオコナーがフランスのG1競走クリテリウム・アンテルナシオナルを勝利したこと相対的に評価を高めたことで、フランケルは2010年の欧州最優秀2歳牡馬となった。
※YouTube『Juddmonte』より引用
4月16日のグリーナムステークスで始動戦を迎えたフランケルは、後にマイルG1を3勝する快速馬エクセレブレーションを相手に4馬身差で快勝。その後、イギリスのクラシック競走である英2000ギニーに駒を進めて6馬身差で完勝し、続くセントジェームズパレスステークスではゾファニーとの接戦となったが、ここも強豪馬を相手に勝利した。
続くサセックスステークスでは当時マイルG1・5連勝を挙げていたキャンフォードクリフスとの一騎打ちの様相を呈していたが、レース本番では楽な手応えで後続を突き放し、キャンフォードクリフスに5馬身差をつける圧勝。これによりフランケルは一躍「最強マイラー」と評価される。その後、10月のクイーンエリザベスステークスではエクセレブレーションとの再戦となったが、4馬身差をつけて一蹴。G1・4連勝を飾った。
3歳シーズンを5戦5勝(うちG1を4連勝)で終え、同年の欧州年度代表馬・欧州最優秀3歳牡馬を受賞した。
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
フランケルは古馬始動戦としてロッキンジステークスを目標に調整されていたが、4月中旬の調教後、右前脚に故障を発生。一部メディアがこれを受けてフランケルの引退報道を出し、関係者などが引退の可能性を否定するという誤報騒動に発展した。
その後、ロッキンジステークスを5馬身差、クイーンアンステークスを11馬身差で圧勝。いずれも2着馬はエクセレブレーションだった。なかでもクイーンアンステークスの圧勝劇は、フランケルのレーティングを歴代最高評価に押し上げる大きな要因となっている。
続いてサセックスステークスに出走したフランケルは、後にG1を2勝するファーを退けて同競走連覇を達成。その後、中距離路線に舵を切り、英インターナショナルステークスへ駒を進めた。ここでもファーを相手に7馬身差をつけて圧勝。続く英チャンピオンステークスを制し、これをラストランとして現役を退いた。
なお、ラストランは当時明確にされていなかったものの、英チャンピオンステークス優勝後にジュドモントファームのハーリド・ビン・アブドゥッラー氏がフランケルの引退を表明した。また、フランケルを管理したヘンリー・セシル調教師は、フランケル引退の翌年6月にこの世を去った。
4歳シーズンは5戦5勝、G1・5連勝。2年連続で欧州年度代表馬に輝き、欧州最優秀古馬を受賞した。
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
※YouTube『Juddmonte』より引用
開催年 | レース名 | 格 | 距離 | 着順 |
2012年 | 英チャンピオンステークス | G1 | 芝2000m | 1着 |
英インターナショナルステークス | G1 | 芝2080m | 1着 | |
サセックスステークス | G1 | 芝1600m | 1着 | |
クイーンアンステークス | G1 | 芝1600m | 1着 | |
ロッキンジステークス | G1 | 芝1600m | 1着 | |
2011年 | クイーンエリザベス2世ステークス | G1 | 芝1600m | 1着 |
サセックスステークス | G1 | 芝1600m | 1着 | |
セントジェームズパレスステークス | G1 | 芝1600m | 1着 | |
英2000ギニー | G1 | 芝1600m | 1着 | |
グリーナムステークス | G3 | 芝1400m | 1着 | |
2010年 | デューハーストステークス | G1 | 芝1400m | 1着 |
ロイヤルロッジステークス | G2 | 芝1600m | 1着 | |
条件戦 | 芝1400m | 1着 | ||
未勝利戦 | 芝1600m | 1着 |
現役引退後、2013年からイギリスのバンステッドマナースタッドで種牡馬入りした。初年度の種付け料は12万5000ポンド。フランケルを所有するジュドモンドファームの方針によって種付け頭数は絞られ、初年度は130頭に設定された。
その後、初年度産駒のソウルスターリングが日本で阪神ジュベナイルフィリーズ・オークスを制覇。クラックスマンが英チャンピオンステークスを連覇するなど活躍した。次項で主な代表産駒と代表勝ち鞍を記載する。
生年 | 馬名 | 主なG1勝ち鞍 | 英名(外国馬) |
2014年 | ソウルスターリング | 2016年阪神ジュベナイルフィリーズ 2017年オークス |
|
モズアスコット | 2018年安田記念 2020年フェブラリーステークス |
||
クラックスマン | 2017年英チャンピオンステークス 2019年ガネー賞 2018年コロネーションステークス 2018年英チャンピオンステークス |
Cracksman | |
2015年 | ウィズアウトパロール | 2018年セントジェームズパレスステークス | Without Parole |
ヴェラシアス | 2019年ファルマスステークス | Veracious | |
2016年 | アナプルナ | 2019年英オークス | Anapurna |
ロジシャン | 2019年英セントレジャーステークス | Logician | |
2017年 | アルピニスタ | 2021年ベルリン大賞 2021年オイロパ賞 2021年バイエルン大賞 2022年サンクルー大賞 2022年ヨークシャーオークス 2022年凱旋門賞 |
Alpinista |
2018年 | グレナディアガーズ | 2020年朝日杯フューチュリティステークス | |
アダイヤー | 2021年英ダービー 2021年キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス |
Adayar | |
ハリケーンレーン | 2021年パリ大賞典 2021年英セントレジャーステークス |
Hurricane Lane | |
モスターダフ | 2023年プリンスオブウェールズステークス | ||
2019年 | インスパイラル | 2021年フィリーズマイル 2022年コロネーションステークス 2022年ジャックルマロワ賞 |
Inspiral |
ナシュワ | 2022年仏オークス(ディアヌ賞) 2022年ナッソーステークス |
Nashwa | |
オネスト | 2022年パリ大賞典 | Onesto | |
ウェストオーバー | 2022年アイリッシュダービー | Westover | |
トリプルタイム | 2023年クイーンアンステークス | Triple Time | |
クラージュモナミ | 2023年アスコットゴールドカップ | Courage Mon Ami | |
2020年 | シャルディーン | 2023年英2000ギニー | Chaldean |
ジャンナローズ | 2023年サンタラリ賞 | Jannah Rose | |
ソウルシスター | 2023年英オークス | Soul Sister |
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