当記事では、サラブレッドの三大始祖(ダーレーアラビアン・ゴドルフィンバルブ・バイアリーターク)について記載している。加えて影響を与えている三大始祖以外の競走馬についても併記する。
三大始祖とは、サラブレッドの直系サイアーライン(父系)を遡った際にたどり着く3頭の祖先のこと。馬名はそれぞれダーレーアラビアン、ゴドルフィンバルブ(ゴドルフィンアラビアン)、バイアリーターク。
現在の『サラブレッド』の基礎となっている「ジェネラルスタッドブック」には上記3頭を含めて100頭の種牡馬が記録されているものの、その他の父系はすべて現存していない。ただし絶えているのはあくまで「父系」に限り、父の母の父、母の母の父などの形で現代の競馬に影響を与えている。
ダーレーアラビアンは1700年ごろに生まれ、オスマン=トルコに駐在していたイギリス領事がアラブの族長から買い取り本国へ送ったといわれている。現在のサラブレッドにおける父系の約90%を占めており、エクリプス(Eclipse)を介して後世に多大な影響を与えた。
ファラリス、ブランドフォード、ハイペリオン、ネアルコ、ナスルーラ、ノーザンダンサー、リボー、ネイティヴダンサー、ミスタープロスペクターなどはすべてこの父系に属する。
近代日本競馬で多大な影響を持つディープインパクトやハーツクライ(サンデーサイレンス)、キングカメハメハ(キングマンボ)などもすべてこのサイアーラインから分岐している。
ゴドルフィンバルブは1720年ごろに北アフリカのバーバリーで生まれたといわれている。生まれた地がアラブではなくバルブであるからという理由で「ゴドルフィンアラビアン」「ゴドルフィンバルブ」と2つの呼称が存在する。1748年に生まれたマッチェム(Matchem)によって父系を伸ばした。
欧州においては傍流血統に属していたが、一方アメリカでサイアーラインを大きく発展させ、その際たる例が米国における歴史的名馬マンノウォーである。日本においては持ち込み馬の月友が3頭の日本ダービー馬(オートキツ・カイソウ・ミハルオー)および1960年のオークスと有馬記念を制し後に土着牝系の牝祖となったスターロッチを出すなど影響を与えている。
日本においてはサニングデールやカルストンライトオが直系子孫にあたる。またアメリカではティズナウ、欧州ではディクタット→ドリームアヘッドのラインも同父系にあたる。
バイアリータークは1680年ごろに生まれたといわれており、ヘロド(Herod)を介して後世に影響を与えた。ヘロド自身は前肢などに故障を抱えていた影響から特筆すべき競走成績こそないものの、エクリプスと並び立つほどの種牡馬成績を残している。
レキシントン、ザテトラーク、リュティエなどにより一時代を築いた。また日本に輸入された種牡馬パーソロンは、シンボリルドルフやメジロアサマによって国内で父系を伸ばし、トウカイテイオーやメジロマックイーンなどに血を繋いだ。またダンディルートのラインからはビゼンニシキを介してダイタクヘリオスが出ている。
なお、2017年にウィーン獣医科大学を中心とした研究グループの遺伝子研究により、「現代のサラブレッドはほぼ100%血統を有している」といわれるダーレーアラビアン系の大種牡馬セントサイモンが、実際にはバイアリーターク系だった可能性が極めて高いという報告があがっている。
当項目では、三大始祖に数えられていないもののサラブレッドに大きな影響を与えた始祖をピックアップして紹介する。
オルコックアラビアンは1700年ごろに生まれたと言われており、父系からダービー馬を出すなど三大始祖以外では最も有力なサイアーラインを形成した。一般的に毛色の遺伝法則から「芦毛馬は父母どちらかが芦毛でないと生まれない」といわれているが、三大始祖に芦毛がいないことから、現在の芦毛のサラブレッドの毛色の祖先の1頭がこのオルコックアラビアンだといわれている。
1670年ごろにイギリスへ輸入されたといわれている。ジェネラルスタッドブックの第一巻に記載されている始祖種牡馬の一頭で、名前や言い伝えから毛色は月毛だったと考えられている。父系は数代で途絶えたものの、残した産駒の1頭であるスパンカー(Spanker)が、三代始祖の後継種牡馬の母系に入ることで後世のサラブレッドに影響を与えている。
世界史から学ぶ競馬(下)
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