他の馬が近くを通りかかったら…
――今回はラニの個性についてお伺いしたいのですが、改めて振り返ってみて、どんな馬でしたか?
松永幹夫調教師(松永師) 気性がすごく激しかったです。大人しい時はホント大人しいんですけど、いざ他の馬が近くに来たら、馬っ気を出して襲いそうな雰囲気を持っていましたね。
――アメリカ遠征時には現地メディアで「Godzilla(ゴジラ)」と例えられることもあったようですね。
松永師 ものすごく馬っ気が激しくて、日本から数十年ぶりにアメリカにケンタッキーダービーを目指して来たっていうのもあったから、すごく注目はされていたと思います。向こうの新聞とかにも、それこそ「ゴジラ」みたいな感じでラニのことを書かれていました。なにしろ、他の馬を威圧していましたから(苦笑)。
――アメリカ三冠参戦だけでなく、ドバイにも2度遠征をしました。新しい環境に順応できるタフさがあるのでしょうか。
松永師 環境の変化には問題ありませんでした。けど、アメリカの時は1頭でずっと遠征していたから、調教はちょっと苦労をしましたね。本当はポニーみたいな感じで、どれかの馬についていくことができればよかったんですけど、何しろ馬が近くを通りかかったら襲いかかるので、それもできなくて。
――そういったエピソードを聞くと、気性が激しいって印象が強いですが、種牡馬になった後、アロースタッドで見た時はすごく可愛い目をしていました。
松永師 競馬をやめて種牡馬になってからすごく大人しいって聞きます。
ご飯をいっぱい食べて、ぐぅぐぅ寝るゴジラ
――現役時代で大人しくなる瞬間というのは?
松永師 馬房で...もっと見る