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【3歳牝馬路線最新勢力図】今後の3歳牝馬路線はまだまだ混戦模様

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大外一気を決め無敗で桜花賞を制したデアリングタクト(写真提供:デイリースポーツ)

大外一気を決め無敗で桜花賞を制したデアリングタクト(写真提供:デイリースポーツ)

 2018年6月3日東京競馬5Rに組まれた2歳新馬戦。1分33秒6という好時計で快勝したのが、後の桜花賞馬グランアレグリア。そして2着が同年の2歳女王ダノンファンタジーだった。

 近年、素質馬のデビューが年々早くなる傾向にあったが、この一昨年6月1週目に行われた新馬戦のインパクトは大きすぎた。『6月に牝馬の大物がデビューする』そんなイメージがファンの間に、しっかりと刷り込まれていったのだ。

 そんな中、昨年も1頭とてつもない衝撃を残してデビューした馬がいた。それがリアアメリア。調教の動きから、才能の豊かさは存分に示しており当日の単勝オッズは1.2倍。そして実際に走らせてみると、追うことなく直線だけで8馬身後続を引き離したのだ。

 翌日の新聞には“クラシック当確”とまで書かれた記事もあった。20年牝馬クラシック路線は6月1日(この新馬戦が行われた日)から始まったといって間違いないだろう。

 リアアメリアは、その後4か月の休養を取りアルテミスSを快勝。阪神JFへと駒を進める。実績は2戦2勝。同じく2戦2勝で重賞(新潟2歳S)を制したウーマンズハートなども出走していたが、“6月のインパクト”は大きくファンはリアアメリアの単勝1.8倍で送り出した。

 しかし結果は6着に敗れ桜花賞まで休養を取り立て直すことになった。ここから話は大きく動く。勝ったのは、2戦2勝ながら初めてのマイル戦ということで軽視されていたファンタジーSの勝ち馬レシステンシア。逃げ切り勝ちとはいえ、決して恵まれた勝利でないことを時計は証明していた。勝ち時計はウオッカの勝ち時計を0.4上回るレースレコード。桜花賞の主役に十分に成りえる内容を残したのだ。

 年が明けシンザン記念をサンクテュエール、クイーンCをミヤマザクラ、そしてエルフィンSをデアリングタクトと次々と桜花賞に名乗りを挙げた。そして阪神JFで好走した面々はチューリップ賞に集結。JFを勝ったレシステンシアは直線差されて3着に負け、JF2&3着馬の2頭が1着マルターズディオサ、2着クラヴァシュドールと繰り上がる形で、ゴール板を駆け抜けた。

 そして、いよいよ桜花賞。阪神JFからチューリップ賞と戦い続けた面々に加え、別路線組やリアアメリアなど豪華なメンバーが揃った。

 そこで勝ったのがデアリングタクト。これで3戦3勝と負け知らずでの戴冠であり、父エピファネイアは初年度からクラシックホースが誕生した。

 昨年のオークス馬は桜花賞路線には顔を出さなかったラヴズオンリーユーが勝っており、今年も別路線組には要注意。デアリングタクトというヒロインは生まれたが、絶対的な核という存在には至らず、オークスを含めた今後の3歳牝馬路線はまだまだ混戦模様といえるだろう。

2020年春・3歳牝馬路線有力馬一覧

デアリングタクト(牝)

デアリングタクト(牝)
エピファネイア
デアリングバード
母父キングカメハメハ
厩舎杉山晴紀(栗東)
馬主ノルマンディーサラブレッドレーシング
生産者長谷川牧場
主な戦跡2020年桜花賞

レシステンシア(牝)

レシステンシア(牝)
ダイワメジャー
マラコスタムブラダ
母父Lizard Island
厩舎松下武士(栗東)
馬主キャロットファーム
生産者ノーザンファーム
主な戦跡2019年阪神JF

マルターズディオサ(牝)

マルターズディオサ(牝)
キズナ
トップオブドーラ
母父Grand Slam
厩舎手塚貴久(美浦)
馬主藤田在子
生産者天羽禮治
主な戦跡2020年チューリップ賞

クラヴァシュドール(牝)

クラヴァシュドール(牝)
ハーツクライ
パスオブドリームズ
母父Giant's Causeway
厩舎中内田充正(栗東)
馬主山紫水明
生産者下河辺牧場
主な戦跡2020年チューリップ賞・2着

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