【3歳牡馬路線最新勢力図】無敗のGI馬2頭が中心も遅れてきた新星にもチャンスあり
ホープフルS以来の出走で皐月賞に挑むコントレイル(撮影:下野雄規)
今年の3歳牡馬世代。一番の大きなトピックスといえば、史上初めて朝日杯FS勝ち馬ではない最優秀2歳牡馬が誕生したことだろう。
19年の最優秀2歳牡馬はホープフルSを勝ったコントレイルで、ここまでの実績は3戦3勝。JRA賞は逃したものの、朝日杯FSを勝ったサリオスも3戦3勝で現時点では未対決。ともに年明け初戦で皐月賞に向かう予定が組まれており、ここでの結果が今後のクラシック戦線を大きく左右することになるだろう。
昨年サートゥルナーリアが史上初年明け初戦で皐月賞を制覇したが、このローテーションが決して有利とは言い切れないのが事実。別路線組から皐月賞を勝つ馬が出る可能性は十分にあるし、ここでのレースっぷりによってはダービー、菊花賞の勢力図も大きく変わってくる。
そんな2強以外で、もっとも注目を集めるのが弥生賞ディープインパクト記念を勝ったサトノフラッグ。デビュー戦こそ仕上がり途上で6着に負けたものの、その後は3連勝でクラシック路線の有力候補へとのし上がって来た。とくに印象的だったのが、2戦目の未勝利戦。鞍上のマーフィー騎手はこの時点で「自分が今まで乗った馬の中でもトップクラスの馬」と答え、イギリスに帰国後は現地メディアに「サトノフラッグはダービーの有力馬になる可能性がある」と紹介している。
共同通信杯で圧倒的な1番人気に推されながら4着に敗れたマイラプソディも侮れない存在。2歳時に見せたパフォーマンスは、どれも大楽勝。共同通信杯は初の輸送競馬に加えて道悪が響いた可能性も十分にあり巻き返しは十分に考えられる。
皐月賞に出走はしないが、もう1頭注目なのが2連勝で若葉Sを勝ったアドマイヤビルゴ。セレクトセール史上2番目の落札価格5億8000万という値が付いたことでデビュー前から注目の的だった同馬だが、2歳になっても成長が遅れており、ここに来て“まさかの急上昇”をしてきた馬である。まさに今が成長の真っただ中で、5月9日の京都新聞杯の結果次第ではダービーの有力候補に躍り出ても何ら不思議ではない。