7/13(月)14(火)の2日間にわたって開催される、セレクトセール2020。馬産地で上場予定馬の下見を重ねている須田鷹雄さんが、「これを知ればもっと面白くなる!」注目馬を1歳馬セッション、当歳馬セッションに分けてセールに登場する注目馬を挙げていきます。今年63年振りに無敗の二冠馬になったデアリングタクトの全妹が登場する1歳馬セッション。デアリングタクトの全妹の評価は!?
セレクトセール会場
高額落札が予想される馬をまずは展望
セレクトセール2020のプレビュー、今回は高額落札が予想される馬をまずは展望していこう。
1歳セッションの最高価格はノーザンファームのディープインパクト牡馬が取るはず。シーヴの2019だろうと言われていたのだが、ここへ来て半姉(モンファボリ)が新馬勝ちしたフォエヴァーダーリングの2019も雰囲気が上がってきた。ディープインパクトの良さを残す一方でしっかりとしたボリュームと力強さがある。
ノーザンのディープ牡馬をビッドするような馬主さんはこのコラムを読んでいないだろうが、どちらかに決め打ちするのでなく、上場順通りにフォエヴァーダーリング→シーヴと競っていくのがよいのではないだろうか。
最高価格には絡まないにしても、社台ファームのディープインパクト牡馬ももちろん注目の存在。上が走っていて安心感のあるカンビーナの2019が高くなるのだろうが、半姉にラクレソニエールのいるアブソリュートレディの2019もデキでは負けていない。上場順が早いぶん、こちらで勝負をかける購買者もいると思うし、それも戦略としては間違っていないと思う。
キングカメハメハ産駒はヒストリックレディの2019が最高価格だろう。牝馬でそれに迫ってもおかしくないのが、1歳セッションの大トリを務めるマルシアーノの2019。見映えのする馬体で、歩きも柔らかい。
なんといってもデアリングバードの2019
1歳セッションはなんといってもデアリングバードの2019だ。父はエピファネイア。デアリングタクトの全妹にあたる。デアリングタクトは一昨年のセレクトセールで1296万円だったが、競合の仕方によっては5倍10倍の話になってもおかしくない。いまいちばんホットな血統が登場してくれることでセレクトセールに大きな賑わいが加わりそうだ。
高馬の話ばかりしてもリアリティがないので(どのみち自分が買うという話ではないが)、リーズナブルに買えそうな馬というところで、個人的に気になっている馬を何頭かご紹介しよう。
ノーザンファームについてはロードカナロア以外の短距離血統、あるいはダートの方向に逃げれば少しでも競合を避けられるのではないかと考える。
ドレフォンがどの程度人気になるのか読めないが、ラクアミの2019あたりは馬のデキに加え、スピードで統一された血統全体が魅力。ただ牡馬だし競合の仕方によっては高くなることも……。ガルデルスリールの2019(牡/父ヘニーヒューズ)はブラックタイプに派手さこそないものの、母とその兄弟の勝ち上がり率が魅力。
社台ファーム勢は、丹念に競っていくとどこかで良い馬がリーズナブルに落ちることがあるのが魅力。極端に高くはならなさそうという前提で挙げると、1歳セッションではエクスプレスレーンの2019(牝/父ドレフォン)、アルテミスハートの2019(牡/父ラブリーデイ)といったあたり。
下見にうかがったのが社台ファームとノーザンファームだけなので、その他のマニアックな注目馬としては、ごく私的な理由によるものしか挙げられないがご容赦いただきたい。
1歳セッションではオリオンファームが上場するオノユウの2019(牡/父リオンディーズ)。実は2歳の半兄(父ラブリーデイ)を昨年筆者の同級生馬主用に買ったのだが、そちらはムキムキのガチガチでラブリーデイ無視のダート短距離馬という感じ。対する今年の上場馬はちょっと動画を見たところ全くタイプが違うようで芝も距離もこなしそう。どのような評価を受け、将来どんな走りをするか楽しみだ。
セレクトセール2020
苫小牧・ノーザンホースパークで行われる日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール2020」(2020年7月13日(月)1歳馬、7月14日(火)当歳馬)を生中継いたします