1990年以前のシンザン記念は年末のGI後のレースと言うこともあり、後にGIを勝利するような名馬の出走が少なかったレースとして知られていた。1993年2着のナリタタイシン、1997年1着シーキングザパール、1998年2着アグネスワールドなど1990年代以降は後にGIを勝利する馬の好走が目立ち始めてくる。過去10年でみるとシンザン記念で馬券になった牝馬は6頭。そのうち4頭は後にGI馬となっている。ここではシンザン記念好走後にGIを優勝した牝馬をまとめました(2021年01月08日現在)
レース開催年 | 馬名 | 通算成績 |
---|---|---|
2018年 | アーモンドアイ | 15戦11勝(GI・9勝) |
2016年 | ジュエラー | 6戦2勝(GI・1勝) |
2012年 | ジェンティルドンナ | 19戦10勝(GI・7勝) |
2011年 | マルセリーナ | 22戦4勝(GI・1勝) |
アーモンドアイのシンザン記念での衝撃的な勝利で後の活躍を確信したファンも多い
馬名 | アーモンドアイ |
---|---|
父 | ロードカナロア |
母 | フサイチパンドラ |
母父 | サンデーサイレンス |
馬主 | シルクレーシング |
生産者 | ノーザンファーム |
生年月日 | 2015年03月10日 |
産地 | 安平町 |
主な勝ち鞍 | 2020'ジャパンカップ 2020'天皇賞・秋など重賞10勝(GI・9勝) |
日本馬史上初の芝G1・9勝、史上5頭目の牝馬三冠馬である。主な勝鞍は2018年の桜花賞、オークス、秋華賞、ジャパンカップ、2019年のドバイターフ、天皇賞・秋、2020年のヴィクトリアマイル、天皇賞・秋、ジャパンカップと数多くのビッグレースを制しているが初重賞勝ちは2018年のシンザン記念。2018年ジャパンカップでは芝2400mの世界レコードとなる「2分20秒6」という驚異的なタイムで優勝。2018年度、2020年度JRA賞年度代表馬を受賞。2020年11月29日ジャパンカップを制し日本馬史上初の芝G1・9勝という記録を打ち立てるとともにラストラン・引退レースで有終の美を飾り、記憶にも記録にも残る名牝となった。
馬名 | ジュエラー |
---|---|
父 | ヴィクトワールピサ |
母 | バルドウィナ |
母父 | Pistolet Bleu |
馬主 | 青山洋一 |
生年月日 | 2013年01月17日 |
生産者 | 社台ファーム |
産地 | 千歳市 |
主な勝ち鞍 | 2016'桜花賞 |
2015年11月29日の京都芝1800mの新馬戦ではスタートで出遅れるもラスト3ハロン34秒0という鋭い末脚を繰り出しデビュー戦を勝利で飾る。2戦目に選んだのはシンザン記念。レインボーライン、ファインニードルなど後のGI馬も出走していたがキャリア1戦の牝馬が2番人気に推されているところでもデビュー戦のインパクトを表している。シンザン記念でもスタートが悪く後方からのレースに。4角ではほぼ最後方だったが、直線ではレースの上がりタイムより1秒以上速い34秒5で追い込むが先に抜け出したロジクライを僅かクビ差捉えきれず2着に敗れる。チューリップ賞ではハナ差競り負けたシンハライトに桜花賞では逆にハナ差交わしうれしいGI制覇&重賞初勝利を挙げた。
馬名 | ジェンティルドンナ |
---|---|
父 | ディープインパクト |
母 | ドナブリーニ |
母父 | Bertolini |
馬主 | サンデーレーシング |
生産者 | ノーザンファーム |
生年月日 | 2009年02月20日 |
産地 | 安平町 |
主な勝ち鞍 | 2012'牝馬三冠 2014'有馬記念など重賞9勝(GI・7勝) |
2012年の牝馬三冠馬。3歳時のジャパンカップで繰り広げられたオルフェーヴルとの激しい叩き合いで見せた牝馬とは思えない力強さは強烈な印象を残してくれた。2012年シンザン記念では朝日杯フューチュリティステークスで4着だったトウケイヘイローに1番人気を譲り2番人気で出走。道中は3〜4番手を追走し直線で抜け出すと後続との差を広げ2着のマイネルアトラクトに1.1/4馬身差をつけて優勝。前年の2011年に1番人気で5着に敗れた姉ドナウブルーの仇を取る形なった。
馬名 | マルセリーナ |
---|---|
父 | ディープインパクト |
母 | マルバイユ |
母父 | Marju |
馬主 | 社台レースホース |
生産者 | 社台ファーム |
生年月日 | 2008年02月17日 |
産地 | 千歳市 |
主な勝ち鞍 | 2011'桜花賞 2013'マーメイドS |
クラシック戦線でも活躍したグランデッツァの妹ということもあり期待されていた。新馬戦ではその期待に見事応え快勝。1戦1勝で出走した2011年のシンザン記念には後の牡馬三冠馬オルフェーヴルだけでなく、オープンで活躍するレッドデイヴィス、ドナウブルー、アドマイヤサガス、マーベラスカイザー、ツルマルレオンなど多士済々なメンバーが出走していた。レースは内で折り合いをつけて中団で脚を溜め直線で伸びてくるもレッドデイヴィス、オルフェーヴルに敗れるも3着に好走。その後に出走したエルフィンSを勝利し出走した桜花賞では1着から4着までが3角15番手以下、と決め手勝負の戦いを見事制しGI制覇を達成した。