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【マイルチャンピオンシップ(G1)】安田記念も制し名実ともに年間マイル王に輝いた名馬たち

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1984年に新設され、春の安田記念とともにマイルのチャンピオン決定戦として位置づけられているマイルチャンピオンシップ。『マイル王』の称号をかけて春の安田記念、秋のマイルチャンピオンシップを同一年に優勝した馬はわずか7頭。ここでは同一年に優勝し名実ともに『マイル王』『マイル女王』として君臨した名馬を「netkeiba.com」がまとめました(2020年11月15日現在)。
※同一年に両レースを優勝した馬を対象といたしました。

達成年馬名通算成績
2019年インディチャンプ16戦8勝
※2020年11月15日現在
2015年モーリス18戦11勝
2007年ダイワメジャー28戦9勝
1999年エアジハード12戦7勝
1998年タイキシャトル13戦11勝
1994年ノースフライト11戦8勝
1985年ニホンピロウイナー26戦16勝
ノースフライト

牝馬では唯一同一年に安田記念とマイルCSを勝利しているノースフライト

春秋マイルGI連覇を達成した名馬

インディチャンプ

インディチャンプ
馬名インディチャンプ
ステイゴールド
ウィルパワー
母父キングカメハメハ
馬主シルクレーシング
生産者ノーザンファーム
生年月日2015年02月21日
産地安平町
主な勝ち鞍2019'安田記念
2019'マイルチャンピオンシップなど重賞4勝
※2020年11月15日現在

幼少期は体質が弱かったのか、すぐに疲れが出るなど順調にトレーニングも行えないこともあった。しかし入厩し坂路調教でダンビュライトと互角の動きを見せると一気に期待は高まり2歳12月に出走した新馬戦は1.5倍の圧倒的人気で快勝。その後も古馬オープン馬との併せ馬で先着するなど能力の片鱗は見せていたが3歳春の重賞レースではなかなか結果を残すことができなかった。
4歳になって出走した東京新聞杯はスタートで出遅れるもそれをものともせずに1分31秒9の好タイムで差し切り勝ち。その後出走したマイラーズC4着後に安田記念に出走。最強牝馬と謳われていたアーモンドアイ、マイラーズCでは後塵を拝したダノンプレミアムが2強として人気を集める中、4番人気に支持される。好位でレースを進め逃げるアエロリットを交わし、後方から脚を伸ばしたアーモンドアイも届かずGI初制覇を達成。
秋に出走したマイルCSでは、福永祐一騎手が騎乗停止になってしまい、池添謙一騎手とのコンビで出走。状態は格段に向上し、3番人気で出走。直線ではダノンプレミアムに馬なりで並びかけると、ラスト1ハロンで一気に突き放して勝利。春の安田記念に続いてGI連勝となり、2015年のモーリス以来史上7頭目となる同一年春秋マイルGI制覇を果たした。

モーリス

モーリス
馬名モーリス
スクリーンヒーロー
メジロフランシス
母父カーネギー
馬主吉田和美
生年月日2011年03月02日
生産者戸川牧場
産地日高町
主な勝ち鞍2015'安田記念
2015'マイルチャンピオンシップなど重賞7勝

 モーリスの連勝は4歳の1000万条件から始まった。年明けの1000万特別で中団から抜け出し3馬身差で快勝すると、1600万特別はスローペースで後方一気を決め、ダービー卿CTも前走同様に直線をメンバー最速の上がりで駆け抜けるレースレコードで、重賞初制覇。初のGIとなる安田記念もヴァンセンヌをクビ差凌ぎ4連勝でGIホースの仲間入りを果たしたのである。
 秋緒戦は毎日王冠が予定されていたが、体調が整わず回避。マイルCSへは安田記念からの直行となった。直線に入り各馬がスパートを開始すると外からモーリスが脚を伸ばし、残り200mを切ったところで先頭に立つ。負けじと伸びるフィエロ、馬群の間を割ってきたイスラボニータを引き離し、外から猛追したサトノアラジンも振り切ってゴール。5連勝で春秋マイルGI連覇を果たした。
 その後も日本と香港で好走を続け、5歳で引退。1歳夏のサマーセールでは150万円、2歳のトレーニングセールでは1,050万円で落札されたが、素晴らしい成長力と進化で、国内外あわせて10億8,368万5,700円の生涯獲得賞金を積み上げた。

ダイワメジャー

ダイワメジャー
馬名ダイワメジャー
サンデーサイレンス
スカーレットブーケ
母父ノーザンテースト
馬主大城敬三
生産者社台ファーム
生年月日2001年04月08日
産地千歳市
主な勝ち鞍2007'安田記念
2007'マイルチャンピオンシップなど重賞8勝

 ダイワメジャーのマイルCSへの最初の挑戦は2005年、4歳のとき。勝ったハットトリックとハナ差の2着という惜敗だった。毎日王冠と天皇賞・秋を連勝して臨んだ06年は単勝オッズ2.3倍の断然人気に支持され、 ダンスインザムードをクビ差振り切っての勝利でGI3勝目を飾った。07年はドバイ遠征(ドバイデューティーフリー3着)から安田記念へ。落ち着いたペースのなか、好位の内を追走したダイワメジャーは、逃げ粘りを図るコンゴウリキシオーをゴール前できっちりと交わし、マイルGI連勝を達成した。
 3度目のマイルCSは、安田記念のあとの宝塚記念、毎日王冠、天皇賞・秋と連敗が続いての出走となった。この年も、天皇賞・秋の2、3着馬アグネスアークとカンパニー、スワンS勝ちのスーパーホーネット、高松宮記念覇者スズカフェニックス、NHKマイルC覇者ピンクカメオなど、実力馬・実績馬が多く参戦していたが、1番人気は前年同様にダイワメジャー。とはいえ、連敗からの臨戦だったこともあり、単勝オッズは前年の2.3倍に対し3.8倍だったが昨年と同様のクビ差でマイルCS連覇、秋春秋マイルGI3連覇を達成し、単勝オッズに表れたファンが抱いた少しの不安は杞憂に終わる。
 マイルGI3連勝はすべてクビ差の勝利で、結果だけ見るとインパクトは小さかったかもしれない。ただ、マイラーズC以来、コンビを組んできた安藤騎手が「並ばれるとなかなか抜かせない、頑張れる馬」と勝負根性を評価したように、いつも着差以上の強さを感じさせるマイルの王者だった。

エアジハード

エアジハード
馬名エアジハード
サクラユタカオー
アイシーゴーグル
母父ロイヤルスキー
馬主ラッキーフィールド
生産者社台ファーム
生年月日1995年04月09日
産地千歳市
主な勝ち鞍1999'安田記念
1999'マイルチャンピオンシップなど重賞3勝

 97年、2歳12月にデビューしたエアジハードが本格化したのは、翌98年の秋。900万(現在の1000万)条件から富士S(GIII)まで3連勝し、重賞初制覇を果たしたのだ。富士Sの勝利後、管理した伊藤正徳調教師は「この馬はタイキシャトルの後継馬になれる」と、前年に引退したマイル王の名を口にしたという。
 99年安田記念は、単勝オッズ1.3倍の断然人気にグラスワンダー、エアジハードは17.7倍の4番人気だった。直線を向き、馬場の真ん中からグラスワンダーが抜け出すも、外からエアジハードが馬体を寄せ並びかけた。ほぼ同時のゴールは、ハナ差でエアジハードに軍配が上がった。前走とは逆で、エアジハードがグラスワンダーを差し切ったのである。グラスワンダーに勝つために取った陣営の作戦が成功し、初のGIタイトルを手にした。
 秋は毎日王冠から天皇賞、マイルCSというプランが組まれた。しかし体調が整わず、復帰戦となった天皇賞・秋は勝ったスペシャルウィークからクビ+3/4馬身差の3着に善戦し、本番へ向かうこととなった。マイルCSはエアジハードが堂々の1番人気(2.2倍)、2番人気(3.8倍)は前走のスワンSを勝利したブラックホーク。ムードはこの2頭の一騎打ちだった。
 予想通り、キョウエイマーチの逃げでレースは始まり、エアジハードは中団を楽な手ごたえで追走する。直線で逃げるキョウエイマーチを捕らえ、エアジハードと一緒に伸びてきたブラックホークを振り切って抜け出すと、ゴール前で外から迫った同期のキングヘイローにも1馬身半差をつけてゴール。レースレコードの完勝だった。伊藤正師が一年前にいった通り「タイキシャトルの後継馬」として、史上4頭目の春秋マイルGI連覇を達成した。

タイキシャトル

タイキシャトル
馬名タイキシャトル
Devil's Bag
ウェルシュマフィン
母父Caerleon
馬主大樹ファーム
生産者Taiki Farm
生年月日1994年03月23日
産地
主な勝ち鞍1998'安田記念
1998'マイルチャンピオンシップなど重賞8勝

 1998年。春の目標を安田記念としたタイキシャトルは前哨戦の京王杯SCに出走し、いつものように好位から進み、終始馬なりでレコード勝ちを収めた。
 そして迎えた安田記念、ファンは単勝オッズ1.3倍の期待をかけた。内枠からスタートしたタイキシャトルは、好位の中ほどに進路を取る。直線は粘り込みを図った香港のオリエンタルエクスプレスをねじ伏せるように交わすと、2馬身半差でゴール。レース当日は泥が跳ね上がるほどの不良馬場だったが、タイキシャトルには問題なし。むしろ、好走できたことで欧州のタフな馬場にも対応できると期待が高まっていった。期待は現実になった。ドーヴィル競馬場の芝直線1600mで行われたジャック・ル・マロワ賞で、タイキシャトルは見事に海外GI初制覇を果たす。海外競馬に挑戦してきた岡部幸雄騎手にとっても悲願の勝利で、競馬ではクールな岡部騎手が表彰式で涙を見せたという。
 凱旋レースは、連覇がかかるマイルCSとなった。このときも安田記念と同じ単勝オッズ1.3倍に支持された。好位3番手を進んだタイキシャトルは、直線に入り岡部騎手の手が動くとさらに反応してぐんぐん脚を伸ばし、5馬身差で連覇達成。実況アナウンサーが「これが世界の脚だ」という通り、世界を制したスピードと末脚を日本のファンに披露した。

ノースフライト

ノースフライト
馬名ノースフライト
トニービン
シヤダイフライト
母父ヒッティングアウェー
馬主大北牧場
生産者大北牧場
生年月日1990年04月12日
産地
主な勝ち鞍1994'安田記念
1994'マイルチャンピオンシップなど重賞6勝

 デビューは3歳5月の新潟未出走戦と遅れたが、ここを9馬身差で圧勝すると4戦目の府中牝馬Sでは古馬を一蹴して重賞初制覇を飾る。さらに翌月には、エリザベス女王杯でGIに初挑戦しホクトベガの2着。デビュー半年でGI2着という能力の高さを見せつけた。
 古馬になってからはマイル戦を主戦場に選択。安田記念は前年から国際競走となっており、前哨戦の京王杯SCは4着までを外国馬が独占していた。4頭は安田記念に出走して人気上位に支持され、日本馬の最上位人気は短距離王サクラバクシンオーの3番人気、ノースフライトは5番人気だった。スタートで出遅れたノースフライトは、腹をくくって末脚勝負にかける。サクラバクシンオーが直線入り口で先頭に立ちリードを2馬身半差ほど広げると、ノースフライトは外から猛追。残り200mでサクラバクシンオーを交わして先頭へ躍り出ると、追いすがるライバルたちを突き放し、重賞4連勝でGI制覇を果たした。また、2着には同期の牝馬トーワダーリンが入り、牡牝混合GIで牝馬ワンツーフィニッシュを決めた。
 夏の放牧を挟み、秋緒戦はマイルCSの前哨戦となるスワンSへ。先行したサクラバクシンオーを捕らえきれず、1馬身1/4差の2着で本番を迎える。
 マイルCSは、サクラバクシンオーとの3度目の対決に注目が集まった。前哨戦で敗れたものの、ノースフライトが単勝オッズ1.7倍の1番人気、サクラバクシンオーが3.3倍の2番人気となる。レースは、サクラバクシンオーが2番手につけ、それをマークする形でノースフライトが4番手の外を追走する。4コーナーでサクラバクシンオーが進出を開始すると、ノースフライトもあわせて位置を上げていく。直線を向き、サクラバクシンオーが先頭に立つも、すぐにノースフライトが並びかけ、残り200mから2頭の叩き合い。最後はノースフライトがサクラバクシンオーに1馬身半差をつけて、先頭でゴールを駆け抜けた。コースレコードでマイルGI春秋連覇を達成し、ノースフライトは競走生活を終えた。

ニホンピロウイナー

ニホンピロウイナー
馬名ニホンピロウイナー
スティールハート
ニホンピロエバート
母父チャイナロック
馬主佐々木節哉
生産者小林百太郎
生年月日1980年04月27日
産地門別町
主な勝ち鞍1985'安田記念
1985'マイルチャンピオンシップなど重賞10勝

 通算26戦16勝のうち、1600m以下の距離での成績は18戦14勝・2着3回とスピードが発揮される距離では無類の強さを誇った。1983年、1984年、1985年の3年連続で優駿賞最優秀スプリンターを受賞している。
1984年、この年からグレード制が導入されると同時に短距離路線が整備され、それまでハンデ戦だった安田記念と、新設されたマイルCSが短距離のGI競走になったことでニホンピロウイナーもそれらのレースを目標にしていった。1984年第1回マイルCSではその年の安田記念馬・ハッピープログレスを破りGI初制覇。翌年は始動戦の大阪杯は8着に敗れたが適距離に戻ったマイラーズC、京王杯SC、安田記念と3連勝でGI・2勝目を挙げた。天皇賞・秋で2着シンボリルドルフから0.1秒差の3着に入り中距離でも戦える事を証明したのちマイルCSに出走し単勝1.9倍の圧倒的1番人気に推されるレースは逃げるマルヨプラードをマークしながらレースを進め直線で先頭に立つと後続との差を広げ2着トウショウペガサスに3馬身差をつける快勝で引退した。

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