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MASANORI MIYAHARA 宮原政典

「勝者の涙」

  • 川田将雅騎手
    川田将雅騎手 2016年
  • 福永祐一騎手
    福永祐一騎手 2018年
  • 池添謙一騎手
    池添謙一騎手 2011年
  • 岩田康誠騎手
    岩田康誠騎手 2012年
MASANORI MIYAHARA

「勝者の涙」

ジョッキーの涙はなかなか見る機会がありませんが、ダービーだけはやはり特別ですね。普段はあまり感情を表に出さない福永騎手や川田騎手でさえ、やはり込み上げてくるものを抑えられない。そんな姿を見ると、「ああ、これがダービーというレースなんだな」と思います。

今回の4人のなかで一番印象に残っているのは、やはり川田騎手。当時から僕のなかでは“鉄の男”でしたが(笑)、ゴール後、ずーっとアップにして追っていたら、そんな彼が天を仰いで堪えていた。だいぶ昔の話ですが、トウカイテイオーでジャパンCを勝ったとき、普段は首元をポンポンするだけの岡部騎手が、思わずという感じでガッツポーズをしたんです。「あっ!」と目を見張ったものですが、川田騎手の涙は、そのときに近い衝撃がありました。

ダービーの日は、ゴール後、厩舎のスタッフとジョッキーが合流するシーンも印象的です。ウイニングランを終えて、一度は収まった涙が、スタッフの顔を見た途端、またグッと込み上げてきてしまう。確か福永騎手も、その瞬間に笑顔が泣き顔に変わったし、池添騎手もウィナーズサークルに戻ってきてから、また号泣していたような気がします。そういうシーンに遭遇すると、改めて競馬は一人で闘っているんじゃないだなと思いますね。

宮原政典 MASANORI MIYAHARA

1970年生まれ、埼玉県出身。大学在学中からカメラマンとして競馬誌の仕事を開始。これまでに携わった競馬誌は、『競馬アクション』『競馬フォーラム』『競馬大予言』『馬券ブレイク!』『UMAJIN』など多岐に渡る。勝ち馬のゴールシーンを撮るのが使命も、馬券を買っている馬をついつい狙ってしまうのが目下の悩み。