ディープインパクトの衝撃から一年。2006年のダービーは、競馬場全体が温かい祝福ムードに包まれた。勝ったのは1番人気メイショウサムソン。1000m通過62秒5という超のつくスローペースのなか、道中は内々4、5番手を進み、直線は逃げ粘るアドマイヤメインをクビ差競り落とした。着差こそわずかだが、最後は鞍上・石橋守騎手が手綱を抑える余裕の勝利。サムソンの勝負強さに懸けた好騎乗で、パートナーを二冠馬に導いた。デビュー22年目でダービージョッキーの称号を手に入れた石橋騎手だったが、ガッツポーズなし、涙もなし。粛々と勝利を噛みしめる姿が、逆にダービーというレースの重みを感じさせた。