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2020 YOUNG JOCKEYS SERIES 夢のゴールへいよいよ

JRAジョッキー写真

JRAと地方競馬の元ジョッキーによるヤングジョッキーズファイナリスト注目ポイント解説

地方ジョッキー写真
JRA 佐藤哲三(JRA元ジョッキー)
地方競馬 赤見千尋(地方競馬元ジョッキー)

今年デビューしたばかりのジョッキーを含め、まだ騎手になって5年未満の見習いジョッキーたちですから、技術云々よりも今はがむしゃらに一生懸命に頑張って欲しいというのが僕の気持ちです。僕が若手だった頃には、ワールドスーパーヤングジョッキーズシリーズという企画があって、世界中の若手が集まってレースをする場がありました。出場枠は、美浦・栗東で勝利数上位2名でしたから、そこに出場したいという明確な目標を持って頑張りました。今回ファイナルに出場するジョッキーたちにとっても、とても大きな励みになると思いますし、普段のレースとはまた違うアピールの場にして欲しいです。

JRA東日本の4名は、3名が今年デビューのルーキーということで、馬の運もあるとは思いますが、勢いがありますね。その中でもTR1位通過した原優介騎手は、スタートの速い馬なら人気に関係なく粘れるという印象があります。10月31日の東京7レースで騎乗したケイティマドンナは、11頭中11番人気でしたが、スタートを決めて、ジワッとハナに行って3着に粘り込みました。追いっぷりも力強く、小回りで先行してリズムを作っていくのは得意ではないかと思いますから、全国の地方競馬場で行われたTRで好結果を出したというのも納得ですね。ファイナルは園田と阪神ですから、広い阪神でのレースぶりがどうリンクするか、楽しみにしています。

原優介

同じくルーキーの秋山稔樹騎手は、コーナーワークで外々にいくようなことがあまりないという印象があるので、現状はコーナー4回あるコースの方が、脚が溜まりやすいのかなと。騎手のリズムで脚を溜められるし、そのリズムが馬と合った時には早めに外に持ち出して一気に脚を使うというレースが特徴ではないでしょうか。TR船橋第1戦はまさにそういうレース運びで、コーナーで脚を溜めて、間を突いて一気に伸びて勝利しました。経験を重ねて、外からというだけでなく、真ん中や内から伸びて来ることも増えていますし、周りが見えているなと感じます。いつも以上にみんなが勝気になっているレースで、より威力を発揮するのではないでしょうか。

もう一人のルーキーは小林脩斗騎手。9月26日の中山1レースを勝ったルミナスラインのレースでは、スタートがそれほど速くなかったものの、ハナを主張して逃げ切りました。内目の枠順だったこともありますが、流れの中でハナに行けるのに下げてしまう若手もいる中で、しっかりハナを主張していったことが勝因だと思いますし、僕はそういう考え方のジョッキーが好きです。流れの中で、後ろに下げるか先手を取るかという判断の時に、先手を取ることを優先して乗っているのかなと。もちろんその時その時で判断は違って来るでしょうが、ポジションを取りに行って、結果的に良かったというレースを作り上げられる騎手になって欲しいです。

デビュー2年目の菅原明良騎手は、ルーキーイヤーだった昨年に続いて、2年連続ファイナルへの進出を果たしました。昨年は31勝、今年もここまで27勝と勝ち星を重ねていて、人気だったり穴だったりと、いろいろなパターンで勝っている印象です。僕は関西にいるので基本的には関西の騎手の方が名前をよく聞きますが、関東の若手の中ではとても目立っている存在です。すでにいろいろな経験を積んでいて、今回の出場騎手の中でも上位に入る技術がありますから、混戦のレースで面白そうだなと思っています。

JRA西日本は岩田望来騎手が4勝を挙げ、TRで満点のトップ通過を果たしました。普段のJRAのレースでは小回りのイメージがあまりなかったのですが、岩田康誠君の息子さんですから、地方でどう勝つかというのもたくさん見て来たと思います。印象深いのは昨年のJCデーの準メイン、ヴァンドギャルドで勝ったレースです。世界のトップジョッキーたちがいた中で、好位のポジションからしっかり勝ち切ったというのは自信になったと思いますし、能力の高い馬に乗っているというだけではなく、技術も伴っていると感じます。現時点で経験も多く、調教でもたくさんの能力の高い馬たちに乗っていますから、まだまだお父さんには及ばないけれど、ここでは優勝候補筆頭と言えるのではないでしょうか。まだデビュー2年目ですから先輩もいますが、負けられないくらいの気持ちで挑んで欲しいですね。

岩田望来

TR2位だった団野大成騎手も、デビュー2年目のジョッキー。狙い通りのポジションを取りながらレースを組み立てる、という競馬が多い印象です。ポジションを取って内に潜り込めたら、コーナーで脚を溜めることが出来るし、インが無理なら早めに外に出してマクッて来るなど、流れの中での展開のバリエーションがこの年代の中では多いですね。位置取りをしっかり取るという部分で、若手の中では一番腕があるのではないかと思います。

TR3位だった川又賢治騎手はデビュー4年目、今回ファイナルに出場するJRA騎手の中では一番先輩です。印象的だったレースは5月24日の新潟12レース。6番人気だったスズカモナミで勝ったレースです。外からスタートを決めて行きたい馬を行かせ、深追いし過ぎず下げ過ぎず、流れの中で射程圏に入れていました。スピード感覚と周りとの兼ね合いを見極めての勝ちで、現時点では短距離戦のミドルペース、淡々と流れるレースは好結果に持ち込みやすいイメージがあります。中距離や、コーナーを4回走るレースでどうリンクさせるかが、今後のカギではないでしょうか。

TR4位だった亀田温心騎手も、今年デビュー2年目です。昨年は12勝でしたが、今年はここまで38勝と飛躍しました。現状では、コーナーを4回走るレースで馬のリズムを作っていくところにセンスを感じます。自分の位置取りと展開、そして周りのジョッキーたちとのリズムが合えば早めに動いて行くこともあって、そういう部分のテンポがいいんですよね。コーナー4回のコースに騎乗する時には狙いたいジョッキーです。

ジョッキー戦は普段のレースと違いますし、TRを戦ってのファイナルということで、さらにモチベーションが高まっているのではないでしょうか。2017年から始まったヤングジョッキーズシリーズですが、毎年出場出来るものだとは思わず、自分をアピールする場として頑張って欲しいです。

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2017年から始まったヤングジョッキーズシリーズは、地方所属騎手にとって夢のような企画です。JRAに遠征する機会がほとんどない地域の騎手にとっては、唯一のチャンスと言っていいですし、TRで地元以外の競馬場でレースが出来るというのも貴重な経験です。他場のレースをただ見るだけではなく、実際に乗れるというのは、技術的な面はもちろん気持ちの面でも大きな影響があるのではないでしょうか。YJSがスタートしてから、全国各地で若手の活躍がより一層増えました。その中で、今年も激戦だったTRを勝ち抜いたファイナリストたちが、園田と阪神の舞台でどんなレースを見せてくれるか楽しみです。

地方東日本地区1位でファイナル進出を決めたのは、デビュー3年目の吉井章騎手(大井)。浦和第2戦では6番人気馬に騎乗して、好位からしぶとく伸びて勝利。先行争いでのポジション取りが素晴らしく、スタートがそれほど速くなかったため外から被されそうになりましたが、「揉まれたくない馬だった」ということで、冷静に対処してコーナーで前に出ました。騎乗したアルジャディにとっては、これが初勝利。なかなか勝ち切れなかった馬の特性を見抜き、テン乗りで勝利に導いたことに驚きました。南関東4場で普段からいろいろな競馬場で騎乗していますから、ファイナルの舞台でも活躍してくれるのではないでしょうか。

吉井章

TR2位通過は仲原大生騎手(大井)。大井第1戦で勝利しましたが、ここは力のある1番人気馬に騎乗し、運も大きかったかなと思います。ただ、たまたま運が良かったと言っているわけではなく、仲原騎手は運を自分で掴み取りに行く努力の人。吉井騎手と同期ですが、地方競馬教養センター修了直前に大ケガをしてしまい、デビューが約半年遅れました。無事にデビューを果たした後もなかなか騎乗機会に恵まれず、期間限定騎乗を使って佐賀と門別で修行。しっかり経験を積み、今年はここまで40勝と大きく飛躍しました。努力が必ず報われるという世界ではないですが、大きなチャンスを掴んだ今回、ファイナルでもぜひ存在感を見せて欲しいです。

TR3位でファイナルに出場する福原杏騎手(浦和)は、デビューした昨年62勝を挙げ、浦和所属騎手の中での浦和リーディングとなりました。各競馬場の1位騎手が出場する地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップにも参戦していますから、デビュー2年目とはいえYJS出場騎手の中では特出した存在です。その技術が存分に発揮されたのがTR最終戦となった大井第2戦。ポイント的に1着にならなければファイナルに行けないという状況の中、2番手から早め先頭に立ったところで、後ろからマクッて来た馬を行かせて息を入れます。4番手まで後退し「もうダメか…」と思ってしまいましたが、直線で内から差し返して大接戦を制しました。展開を読む力と大胆に動く決断力があるので、ファイナルでも福原騎手らしい騎乗を期待しています。

今年4月にデビューした池谷匠翔騎手(川崎)は、元体操選手でタレントの池谷直樹さんの息子ということで、デビュー前から注目されていました。しかしなかなか初勝利が挙げられず、チャンスを求めて期間限定騎乗で佐賀と門別で修行。現在は再び佐賀で騎乗し、ここまで21勝を挙げています。印象深いレースはTR船橋。第1戦では4コーナーで外に膨れて間を突かれ、1番人気馬で2着に負けてしまいましたが、第2戦ではすぐに修正し、好位から突き抜けて勝利。今伸び盛りの池谷騎手ですから、園田と阪神という新たな舞台でより成長してくれると思います。

東西に分かれて戦ったTRの中で、一番激戦だったのが地方西日本地区です。15名が出場し、上位3名は1ポイント差、4位と5位も1ポイント差という大接戦。その中で1位だったのが塚本雄大騎手(高知)です。佐賀第1戦では、地元佐賀の出水拓人騎手が早めに上がって来ましたが、すぐさま加速して抜かせず、4馬身突き放して快勝。マクられそうになっても慌てずに落ち着いていて、周りがしっかり見えていると感じました。2016年デビューで5年目、今年通算100勝も達成し、これが最後のYJS出場になります。売り上げが伸びて好調の波に乗る高知競馬の代表として、どんなレースをしてくれるでしょうか。

塚本雄大

1ポイント差の2位でファイナル出場を決めたのは、昨年10月デビューの金山昇馬騎手(佐賀)。佐賀は内の砂が深く、内側を大きく開けて騎乗するのが基本ですが、金山騎手は開いた内を大胆に突いて、一気に先頭に立ってしまうというレースが印象的です。まさにそういうレース運びで勝利したのが佐賀第2戦。さらに名古屋第1戦では、しんがり人気馬に騎乗して、後方から直線でごぼう抜きするという圧巻の追い込みを見せました。どちらのレースもハイペースだったので、速い流れになった時の差し脚に期待しています。

TR3位だった出水拓人騎手(佐賀)は、5戦して2着2回3着1回4着1回と、勝ち星こそないものの安定した成績でした。しかも騎乗馬たちはほとんどが人気薄で、5戦すべてで人気よりも上の着順を収めるという、まさに実力で勝ち取ったファイナル出場です。特に印象的だったのが園田第2戦。9番人気だったグランプリシップに騎乗し、3コーナーで先団に並びかける積極的なレース運びで3着。実況の竹之上次男アナウンサーが思わず驚きの声を上げるほど、これまで後方からのレースが多かったグランプリシップのイメージを覆す騎乗でした。1つ1つのレースで気持ちのこもった騎乗を見せていますので、ファイナルでも熱いレースをしてくれると思います。

5位と1ポイント差で最後の切符を手にしたのは、今年4月デビューの細川智史騎手(名古屋)です。鳥取県境港市出身の20歳。競馬とは無縁の一般家庭で育ちましたが、高校生の時にお兄さんに連れて行ってもらったウインズ米子でレースを見て、そのカッコ良さに驚いたと言います。馬に乗ったことはなかったそうですが、学生時代にテニスや陸上などで鍛え、運動神経は抜群。特に追い込みの騎乗フォームは力強く、デビューしたばかりとは思えないほどしっかりしています。おそらくはこれから数年YJS出場のチャンスがある中で、デビュー年にファイナル進出を果たした意義は大きいでしょう。今後どんな風に成長してくれるかも含め、ファイナルでの騎乗に注目しています。

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