【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、中京競馬場でG1チャンピオンズCが行われるが、その前日に中山競馬場で行われるのが、長丁場の名物重賞G2スポーツニッポン賞ステイヤーズSだ。今年も並み居るステイヤーが顔をそろえる中、ひときわ異彩を放つ存在がいる。 ピュアキアンだ。 美浦・竹内正洋厩舎に所属する同馬は今回が20戦目。これまでの19戦は全てダート戦で、芝に挑むのはこれが初めてだ。 同馬のオーナーは鶴見芳子さん。元々の馬主は夫の鶴見清氏だった。芳子さんは、その始まりを静かに振り返る。 「馬が大好きで“いつかは馬主に”と夢見ていた主人に病気が見つかったのが2009年でした」 いきなり告げられた深刻な診断…