【競馬人生劇場・平松さとし】 今週末、中山競馬場でスプリンターズS(G1)が行われる。 今から5年前の2020年、この短距離G1を制したのは、当時4歳の牝馬グランアレグリアだった。管理していたのは伯楽・藤沢和雄調教師(引退)、手綱を取ったのはC・ルメール騎手だった。 その走りぶりは今でも語り草になっている。序盤からずっと後方に構え、直線を向いても16頭立ての15番手。先頭とは12馬身前後もの差があった。1600メートルを主戦場としてきた彼女にとって、1200メートル戦は高松宮記念(G1、2着)以来2度目。序盤はスピードに乗れず、後方で苦しい競馬を強いられていたというわけで、ルメール騎手は当時の心境を後にこう振り返っている…