この馬が前走のように出遅れるか、それとも速いスタートを切るかで展開が大きく変わる。そう言われていたキセキが、ポンとゲートを出た。観客が入っていたら大きく沸いていただろう。 テン乗りの武豊を背にしたキセキは、1周目の3、4コーナーを3番手で回った。武がギリギリのところで抑えていたのだが、正面スタンド前で首を上げて行きたがったところで、無理に抑えるのではなく、馬の行く気に任せてハナに立った。 1、2コーナーを回りながら後続との差をひろげ、向正面では2番手を3馬身ほど離した一人旅になった。 クリストフ・ルメールが乗る1番人気のフィエールマンは中団の少し後ろ。馬はやや行きたがっているように見えたが、先…