昔は競走馬が我先にと駆けた場所で、いまは競輪選手が必死にペダルを漕ぐ――。JRA美浦トレーニング・センターが位置し、小規模ながら馬産も行われている茨城県。1989年のダービー馬ウィナーズサークルも同県で生産された。競馬との結びつきが深い土地ながら、不思議にも県内に競馬場はない。だが古くは、荒川沖や古河などに存在し、そのうちのひとつ「取手」は廃止後に競輪場となって現在にいたる。きょう11月13日が「茨城県民の日」であることにもちなみ、取手競馬場の姿を辿ってみたい。 茨城県取手市はJR常磐線で上野駅から40分ほど。ベッドタウンとして宅地化が進み、約10万人が暮らしている。JR取手駅から10分少々歩くと取手競輪場。…