98年ダービーの覇者、スペシャルウィーク。他にも99年天皇賞・春、99年ジャパンCも制した名馬中の名馬だが、この馬の真骨頂は、今回取り上げる99年天皇賞・秋制覇にあったのではないかと思う。 希有な生命力、たぐいまれな勝負根性をこの一戦から見て取ることができる。語り継ぐべき一戦だった。 前年のダービーを勝ち、武豊騎手を悲願のダービージョッキーへと押し上げたスペシャルウィーク。4歳となり、天皇賞・春を快勝。前途は洋々のはずだった。 しかし、続く宝塚記念でグラスワンダーの前に2着に敗れた。しかも3馬身突き放されての完敗。「スペシャルウィーク、こんなもんか」という空気がわずかに漂った。 99年秋は京都大賞…