菊花賞で歴代最多の5勝を挙げる武豊騎手だが、敗れたレースでも強烈なインパクトを残してきた。中でもレースを大いに盛り上げたのが06年。3番人気のアドマイヤメインで大逃げを打った一戦を振り返る。 この年の菊花賞には不動の主役がいた。前年のディープインパクトに続く三冠制覇を目指したメイショウサムソンである。一方、武豊騎手のアドマイヤメインは単勝6.2倍の3番人気。日本ダービーでは2着に健闘したものの、秋初戦の神戸新聞杯では3番手追走から7着に敗れ、ここはあくまで脇役の存在だった。 そんな中、武豊騎手は思い切った策に出た。5番枠から好スタートを決めると、気合を付けてハナへ。これは予想通りだったにしても、どん…