【競馬人生劇場・平松さとし】 今週末、いよいよG1凱旋門賞が幕を開ける。22年、この欧州最高峰のレースを制したのはアルピニスタ。管理していたのは英国王室から“サー”の称号を授かった伯楽、マーク・プレスコット調教師だ。 私が初めてニューマーケットにある彼の厩舎を訪ねたのは09年。以来、英国を訪れる際には、できるだけその場所に足を運んできた。敷地にはアルピニスタの母で独準重賞を制したアルワイルダ、そしてその母で独G1を3勝したアルバノーヴァの銅像が並ぶ。 アルピニスタのオーナーブリーダーであるカーステン・ラウジングさんにとっても、ここは特別な場所だ。彼女が初めて重賞を勝ったのはアルバノーヴァの兄…