2000勝以上を積み上げてきた松本好雄オーナーに、競馬の面白さについて聞いたことがある。「馬は生まれてから、ゲートが開く瞬間まで、その道のたくさんのプロが携わってきて、やっと答えが出る。いろんな人が苦労して苦労して。その過程が魅力なんですよ」と目を輝かせて答えてくれた。 座右の銘は「人がいて、馬がいて、そしてまた、人がいる」。馬に携わる人の気持ちを常に思いやり、金は出しても口は出さないが信条。ジョッキー選びも「厩舎の人がかわいがっている騎手に、自分の馬を乗ってもらいたい」。調教師を信頼して任せ、武豊を筆頭に縁を大事にした騎手の起用で大記録を達成した。 「涙が止まらなかった」というメイ…