【競馬人生劇場・平松さとし】 今から25年前、2000年のちょうどこの時期、7月13日の話だ。英国のニューマーケット競馬場で行われた、欧州伝統の短距離G1ジュライCを、日本のアグネスワールドが制した。管理していたのは森秀行調教師、騎乗していたのは武豊騎手。このコンビは1998年、シーキングザパールでフランスのG1モーリスドゲスト賞を勝っており、アグネスワールドでは前年のアベイユドロンシャン賞(フランス)に続く欧州G12勝目となる快挙を成し遂げた形だった。 「コーナリングがいまひとつうまくないので、欧州の直線競馬に挑ませたのが正解でした」。そう語ったのは森調教師。アグネスワールドは99年、芝1200メートルの北九州短…