日本競馬が一気に強くなった、ここ30年。それは“常識を打ち破る戦い”ではなかったか。固定観念と言ってもいい。競馬の世界で信じられた頑固な考え、思い込みを振り払いながら、競馬は進化を遂げてきた。 もしかしたら、この一戦は固定観念を打ち破った“はしり”かもしれない。何しろ、オークストライアルを勝った牝馬を管理する指揮官が「次走は(オークスでなく)ダービーかもしれない」と言い出したのだから。 まだ、レース名が「4歳牝馬特別」だった95年。この年は混戦ムードだった。 1番人気ジョージビューティはフラワーC2着からの臨戦。まだ新馬戦を勝っただけの1勝馬だ。2番人気ダイワグラマーは2勝馬だが、ダート1200メート…