◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 シャッターボタンを押しながら、涙が頬を伝った。5日に行われたドバイ・ターフの表彰式。勝ったソウルラッシュを担当する橋口助手から、このレースへの特別な思いを聞いていたからだ。 ヴェルトライゼンデ。橋口助手がかつて手がけていた馬だ。不治とも言われる屈腱(くっけん)炎を2度発症しながら重賞を2勝。しかし再々発し、今年2月に引退した。乗馬になる予定が変わり、種牡馬としての道が開けた矢先の3月29日。骨折により、安楽死処置が施された。 私はヴェルトライゼンデが好きだった。故障を乗り越えた不屈の精神、強い意志が宿る瞳…かっこよかった。急死を知ったのはドバイ出…