【競馬人生劇場・平松さとし】 今から37年前のこの時期、阪神競馬場がどよめきに包まれた。1988年3月6日、当時行われていたペガサスS(G3、現在のチャーチルダウンズCの前身)に、公営・笠松から中央入りを果たした一頭の芦毛馬が出走し、大きな注目を集めた。 オグリキャップ。後に“芦毛の怪物”と呼ばれることになる名馬だった。 デビューから12戦10勝、2着2回。鳴り物入りでJRAへと乗り込んできた。 中央初戦となったこの日、オグリキャップは2番人気に支持された。レースでは後方に待機し、直線で一気に加速。2着を3馬身突き放し鮮烈な中央デビューを飾った。 手綱を取っていたのが、当時騎手だった河内洋氏。後に調教師とな…