「金色の暴君」と称された2011年の3冠馬オルフェーヴル。クラシックや有馬記念で見せた圧倒的な強さ、ゴール入線後に鞍上を振り落とすほどの気性の荒さ、そして脆さが同居し、その破天荒なパフォーマンスで多くのファンを魅了した。そんな競走生活のなかから、4角で逸走しながらも「負けて強し」を満天下に知らしめた12年阪神大賞典を『オルフェーヴル伝説』(星海社)で振り返る――。 オルフェーヴルは自然豊かな場所が好きだった。だからこそ、放牧先のノーザンファームしがらきはお気に入りの土地だった。現地に到着すると、いつもオルフェーヴルは嬉しそうに馬運車から降り立つ。 有馬記念の後もここに放牧に出たオルフェーヴル。1カ…