有終の美を飾った。木原師が最後に送り出した阪神4Rのヤマニンチェルキ(牡3)は、スタートで立ち遅れるも道中押し上げて5番手を追走。直線に入って先頭と3馬身ほどの差があったが、気迫の追い込みで差し切った。引き揚げてきた鞍上の酒井は号泣。「能力でしぶとく差し切ってくれた。何よりも木原先生の最後を任せてもらえて光栄だし、花道を飾れたのはうれしい」とかみ締めた。 愛馬の勝利に木原師は「力が入りましたね。こんな劇的なことがあるんだね。もう一戦やりたいぐらい」と笑顔を浮かべる。競馬の世界に入って55年、JRA通算353勝を挙げた。「力があるのが分かっていても勝てないのが競馬。結果、何年やっても答えは出なかった。終わ…