今週末の開催を最後に、東西8人の調教師が引退する。その一人、音無秀孝調教師(70)=栗東=の素顔に、長く取材したヤマタケ(山本武志)記者が迫った。 分かってはいたけど、こんな原稿を書く日が来たのか―。音無調教師のラストデーが今週末に迫った今の素直な心境だ(定年引退は3月4日)。競馬記者としての約20年。馬場監視員が待機する「坂路小屋」に足を運び、栗東にいる時は毎日のように話を聞いた。16年に同じく引退された元調教師の橋口弘次郎さんとのやり取りや、豊富な知識から脱線しがちななか、本音を引き出そうとする取材。常に「教育」されてきたような感覚で、本当に感謝は尽きない。そして、寂しい。 この世界には18…