トウカイテイオーの競走生活は、栄光と挫折の繰り返しだった。無敗での春クラシック2冠制覇と骨折による戦線離脱、「世紀の対決」といわれた92年天皇賞(春)での完敗、奇跡の復活を果たした93年有馬記念…。波乱万丈の競走生活のなかから、史上初のジャパンC父子制覇を成し遂げた92年ジャパンCを『トウカイテイオー伝説』(星海社)で振り返ろう――。 6連勝で二冠馬となったトウカイテイオーだったが、ダービー直後に全治6ヶ月の故障を発症、無敗三冠馬の夢は絶たれた。主役不在の菊花賞では日本ダービーで3馬身離したレオダーバンが勝利。テイオーは10ヶ月後、復帰初戦の産経大阪杯を楽勝する。このときの楽勝ぶりは「三冠馬になれた」と…