人生の折り返し地点を越えた私なんぞは、既に定年後の在り方を考えているのだが、昨年暮れのG1シリーズのさなかに栗東からうれしい便りが届いた。かれこれ20年来の付き合いになる加藤公太助手が、調教師試験に見事合格したのだ。 同い年の52歳。試験を受け始めて6回目にして難関を突破した。JRA調教師の定年は70歳。私からすれば、果てしなく長く感じる18年であっても、トレーナーに転身した加藤公師からすれば、野心をかなえるための時間はそう長くはない。 今年、栗東で新規に開業できる枠は6厩舎。前年度に合格した4人に加え、同期で合格した4人のうち2人が開業できるのだが、技術調教師として経験を積むなど各人の…