タニノギムレット。言わずと知れた02年ダービー馬。そして、日本競馬史にさんぜんと輝く名牝ウオッカの父である。この馬がいなければ、64年ぶりの牝馬によるダービー制覇のあの感動も、天皇賞・秋でのダイワスカーレットとのあの激闘も、この世に起こっていないということだ。タニノギムレットさまさま、である。 そのタニノギムレットが初めて重賞を制したのが02年シンザン記念だ。 前走、阪神の未勝利戦(芝1600メートル)で2着馬に7馬身差をつけて圧勝し、ファンの度肝を抜いていたタニノギムレット。未勝利を勝ったばかりでも単勝2.2倍の1番人気に推された。 ただ、今思えば相手関係は楽ではなかった。のちに共同通信杯、毎日杯を連…