◆ジャパンC・G1(11月28日、東京・芝2400メートル、18頭立て=良) カクテルライトのなかを静かに進むオーギュストロダンを眺め、私は寂寥(せきりょう)感に包まれていた。夢見心地の1週間が終わった。月曜日から7日間、東京競馬場に通い外国馬を取材。世界最高のトレーナー、エイダン・オブライエン調教師と握手を交わし、青春時代のヒーロー、クリストフ・スミヨン騎手に質問をぶつけた。20年近くにわたる私の競馬物語はクライマックスを迎えた。 日本競馬史にとっても、オーギュストロダンほどの馬が来日するのは“事件”と言って良かった。少なくとも21世紀に入ってからは。ディープインパクトのラストクロップを巡る熱狂は連日…