◆第69回有馬記念・G1(12月22日、中山競馬場・芝2500メートル) 競走馬にとっての蹄鉄は、陸上選手のスパイクに例えられる。500キロを超えるドウデュースの体を支えるのは、わずか4つの蹄鉄。その装蹄を行うのが、担当の前川助手が「天才」と信頼を置く矢野龍一装蹄師だ。 デビュー前の入厩時から受け持っている。矢野装蹄師は、当時の印象を「覚えてないんです」。しかし、マイナスの意味ではない。「何もないのが一番で、ある方がかえって心配なんです」。記憶がないのは、トラブルがなく、“普通”の爪だったことの裏返しだ。 使用しているのはノーマルな形状の蹄鉄。3?7号まで5つのサイズがあり、大きめの6か7号を、爪の…