長く競馬を見てきた筆者としても衝撃のあったレースの一つだ。97年オールカマーを制したのは3歳牝馬メジロドーベル。3歳牝馬の優勝は33年ぶり3頭目。同馬を最後に3歳牝馬の出走はなく、堂々たる金字塔となっている。 レースぶりは圧巻だった。ゲートが開いた瞬間に首を上げ、やや出負けしたメジロドーベル。前を行く馬たちのあまりの遅さに嫌気が差したのか、1コーナー手前からぐんぐん加速。外から抑え切れない勢いで先頭に立ってしまった。 ファンの頭には、あるレースがよぎった。メジロドーベルが3着に失速したチューリップ賞。前半のあまりに遅い流れに口を割り、頭を何度も上げて抵抗し、折り合いを欠いた。あの時の二の舞になって…