名門・伊藤雄二厩舎はエアグルーヴやマックスビューティなど、幾多の名牝を育てたが、その中で史上最強牝馬の呼び声も上がる1頭がファインモーションである。デインヒル産駒の愛国産馬。半兄には97年のジャパンCなどG1を6勝したピルサドスキーがいる良血馬である。そんな大器が重賞初制覇を果たした02年のローズSを回想する。 ファインモーションのデビュー戦は2歳12月の阪神の新馬(芝2000m)、鞍上は武豊騎手だった。単勝は1.1倍の1番人気。レースはスタートから先頭に立ち、上がり3Fはメンバー中最速となる34秒0をマーク。2着に4馬身差の大楽勝だった。その勝ちっぷりから、レース後にフランス遠征が検討されたが、馬体の成長を促すために…