このようなローテーションを歩む馬は今後、出てこないかもしれない。97年の朝日杯3歳Sを圧勝し、「マルゼンスキーの再来」と呼ばれたグラスワンダーである。98年の有馬記念で年長馬を一蹴。年が明け、古馬となっての始動戦に選ばれたのが京王杯SCだった。グランプリから1100mの距離短縮となるレース選択にファンが驚いたことは言うまでもない。 紆余曲折があって決まった始動戦だった。当初は3月の中山記念に向かう予定だったが、右肩の筋肉痛で回避。大阪杯に切り替えたが、最終追い切り後に左眼の下部に裂傷を負ったため、再び回避。その結果、京王杯SCに向かうことになったのだ。 迎えた一戦、グラスワンダーは1番人気に支持された。…