競馬における“ド派手ガッツポーズ選手権”があったならば、トップ5に入るであろう。ゴール後、マイネルホウオウの背中で柴田大知騎手は何かを叫び、右腕を力強く振りおろした。さらに何か声を上げながら2度、右腕を天に突き上げた。 お立ち台で男泣きした。勝負服の袖で何度拭っても涙があふれてきた。「負けたくない一心で…。G1を勝つ日が来るなんて夢のようで…」。観客は全力で拍手を贈った。泣いているファンもいた。 陳腐な言い方になるのがもどかしいが、どん底からはい上がった男にしか流せない涙だった。同期に福永祐一(現調教師)、和田竜二らがいる「花の12期生」。弟・未崎とのJRA初の双子騎手であることも話題となった。2年…