【池江泰郎 匠の解説】3200メートル長丁場の天皇賞・春はやはり面白い。格式と伝統のこのレースには競馬の醍醐味(だいごみ)のようなものが凝縮している気がした。私は久しぶりに競馬場に足を運んで観戦。ドラマチックなレースと、熱気と勝者を称えるファンの拍手と歓声に温かみがあることも肌で感じた。レース後は家路を急ぐより、しみじみ競馬は素晴らしい、と余韻に浸っていたほどだ。 前めの位置で、どっしりと構えたようにテーオーロイヤルはこれぞ横綱相撲。長丁場ともなれば最終4角の手応えでその先の攻防が読めるが、まさに抜群の手応え通りに最後は自ら動いてG1をつかみ獲った。出走馬の多くがヘトヘトになってゴールする光景をよ…