多くのジョッキーが「レースは生き物」と口にする。各陣営に思惑がある上、馬が思い通りに走ってくれるとも限らないからだ。それだけに戦前のプラン通りに運び、まして勝つケースはなかなかない。そういった視点でみると、12年の皐月賞ほどジョッキーのアドリブ力、それに応えた馬の能力がクローズアップされたレースはないだろう。主役はゴールドシップ、そして内田博幸騎手である。 この日の中山芝は明らかな道悪だった。前日から降り続いた雨は早朝に上がり、馬場状態は皐月賞の前に稍重まで回復。とはいえ、3角から直線にかけてのインコースが力を要するコンディションであることは明白だった。そんな中で迎えた一戦。メイショウカドマ…