やまない雨が騎手としてJRA最後の騎乗を迎えた川島の寂しい胸の内を代弁しているようだった。この日、4鞍に騎乗。8Rのピジョンブラッドが最後の手綱に。インで脚をためて機をうかがうが流れも向かず9着に敗れた。 引き揚げてきた検量室では騎手仲間から「お疲れさま」「ナイスファイト」と拍手で迎えられた。「悔しいね。勝負になる馬だと思っていたが、流れもこの馬に合わなかった。周りから“無事に”と言われていたけど乗る以上は(勝負を)全うしたいと思っていた。貫いてこられたと思います」と悔しげに笑った。 傘が並ぶ検量室前で花束贈呈のセレモニー。騎手仲間、家族、そしてこの日、阪神競馬場を訪れた大師匠・安藤正敏元調教師(…