一頭の馬の強さを目の当たりにして、心が大きく揺さぶられたのはいつ以来だろうか。ジャパンCを圧勝したイクイノックスの走りは、それだけ衝撃的なものだった。 ミスターシービーVSシンボリルドルフ-2年連続で出現した三冠馬の対決が競馬の原風景である筆者にとって、長らく個人的な最強馬の座はシンボリルドルフだった。安定したレースぶり、あの“ゴール時点で前に出ていたらいいんでしょ?”と言わんばかりの派手さがないゆえに伝わる強さ。競馬担当になってからも、その座を揺るがす存在はなかなか出現しなかった。 その「マイ最強馬」の座をあっさり奪ったのが、ルドルフ以来となる無敗の三冠馬となったディープインパクトだ。…