アドマイヤハダルは、もともと右側に少しバランスが傾いていたそうです。それは大げさなことではなく、人間でいえば“生粋の右利き”みたいなもの。とにかく右手前のほうが走りやすかったのです。 「当初はバランスを矯正してあげられないかと思ってやっていたのですが、ハダルと関わっていくうちに、これは生まれつきのもので、彼の個性の一つなんだと分かってきて。それからは矯正ではなく、馬術の技術を応用して角馬場やフラットワークで人間がバランスを補助しながら乗ることを積み重ねてきた感じですね」 アドマイヤハダルとの日々を振り返り、こう教えてくださったのは大久保調教師。いくら右手前が走りやすいとはいえ、左側も使える…