3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー。現役ラスト騎乗が刻一刻と迫るなか、時代を彩った名馬やレースとともに、希代のスター騎手となった彼のヒストリーを全8回の連載で振り返る。 ◇ ◇ 勢い任せの若い頃とは、質の異なる熱量を胸に歩み始めた30代後半。福永にとって、2012?14年は大きなターニングポイントを迎えた時期だった。乗り馬の質が上がる一方で、思うような上昇曲線を描けていない不安や焦りがあったのだろう。肉体改造はもちろん、騎乗スタイルを一から見直すなど、明確なテーマを持って自分に投資し、少しずつアップデートを重ねていく-。活躍と平行してさらなる上のステージをにらみ…