▼日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社の田井秀一(30)が担当する。22年度のJRA賞優秀技術調教師に選ばれた木村哲也師(50)の快進撃の理由について考えた。 イクイノックスの圧勝で幕を閉じた有馬記念の翌朝、美浦トレセン北地区にあるレンガ造りの厩舎に木村師の姿があった。記者でさえ、有馬記念の夜は羽目を外したくなるものだが、師は夜遅くまでテレビ生放送のインタビューなどをこなし、普段通りに早朝から調教を指揮。「有馬記念はやはり特別で、まだ夢の中の世界にいるような感じ。でも(仕事は)いつも通りですよ」と目尻にしわを寄せた。 昨年…