1993年の天皇賞・秋の出走馬でG1馬は2頭だけ。豪華とは言いづらいメンバーだったが、各ジャンルからこれほど個性派を集められたG1もそうない。ステイヤーのライスシャワー、マイラーのヤマニンゼファー、逃げのツインターボ、G1で5戦連続掲示板確保のナイスネイチャ、古豪ホワイトストーン…。そして実際のレースも、30年近く経ってなお、ベストバウトの一つに数えられる。手に汗を握る一騎打ちを演じたのはヤマニンゼファーとセキテイリュウオーだった。 逃げたツインターボが4コーナーで早々と、先行したヤマニンゼファーにつかまる。ゼファーがあっさり単独で抜け出した。先行集団で競馬を運んだ他馬は、1番人気ライスシャワーが距離不足…